岩谷産業、植物由来のバイオMEGを使用した環境配慮型樹脂「バイオマスPET」新発売

 岩谷産業は2010年より開発を進めてきた植物由来の原料を使用したPET樹脂(バイオマスPET)の市場投入を本格的に開始する。

 「バイオマスPET」は、PET樹脂の粗原料である石化由来のモノエチレングリコール(MEG)をサトウキビの搾りかす(廃糖蜜)を原料とした植物由来のMEG(バイオMEG)に置き換えたもので、これにより化石資源の利用低減および焼却処分時のCO2排出量削減が可能となる。岩谷産業では「バイオマスPET」の展開において、バイオMEGをインドから調達し、世界最大のPET樹脂メーカーであるインドラマ・ベンチャーズ(タイ)において、PET樹脂の製造、そしてアイテムによって最終製品の加工まで一貫して行う。

 今後、大日本印刷と共同で開発を行っているフィルム分野において、包装材用途での量産を開始する。「バイオマスPET」は、フィルム、ボトル、シート、繊維などの幅広い用途を対象に販売を行い、2015年度には40億円の売上を見込む。

 同製品は、顧客の要望に基づき、植物由来分の含有率を30%に固定することができ、従来の石油由来PETとブレンドすることでコストを抑えることも可能になる。また石油由来PETと同等の物性値(引張強度、耐衝撃性、耐熱性、透明性など)を有しており、従来設備での印刷および成型加工が可能。今後は耐熱、耐寒衝撃グレードなどのラインナップも検討する。