岩谷産業、水素ガスベースの新溶断混合ガス「ハイドロカット」を開発

 岩谷産業は水素ガスのニューアプリケーションとして、水素ガスベースの新溶断混合ガス「ハイドロカット」を開発し、兵庫県姫路市の岩谷瓦斯(本社:大阪、社長: 宮川隆史)姫路工場内に充填設備を完成させ、2011年度より西日本を中心にテストマーケティングを行い、今回、本格的な販売を開始した。

 新製品「ハイドロカット」は、クリーンな燃料ガスである水素ガスをベースに、炭化水素系ガスを混合し、より性能を高めた新開発の溶断ガス(特許登録済)。各種鋼材切断およびロウ付け、一般加熱・圧接作業においても、従来のアセチレンと同様に使用することが可能。

ハイドロカットの特長は、以下の通り。
① 混合ガスの供給であるため、一般高圧ガス容器の中古容器の転用ができ、余剰容器の活用ができる。さらに、アセチレンでは不可能であった中型集結容器により、容器交換作業の安全性および作業性の改善もできる。
② ハイドロカットは、アセチレンに比べて二酸化炭素排出量の70%が削減可能。
③ 輻射熱が小さいため溶断作業中の作業者の暑さ軽減や、煤の発生がほとんどないことにより作業環境の改善が可能。
④ 空気よりも軽いため滞留しにくく、逆火も起こりにくいため、安全性においても優れている。
⑤ 圧縮ガスであるため、アセチレンでは不可能であったガス残量管理が可能になり、在庫管理が容易になる。

 ハイドロカットは既に大口需要家(造船会社等)で採用が決まり、既存顧客からも好評を得ていることから2012年秋には関東地区での充填工場を完成させ、随時工場建設を進めて全国展開を行う。

【ハイドロカット概要】
充填工場:兵庫県姫路市大津区勘兵衛町3-2-2 岩谷瓦斯㈱姫路工場内
製品仕様:水素ガスベース混合ガス、47リットルシームレス容器、14.7MPa(7m3)充填


ハイドロカット用47リットルシームレス容器

ハイドロカットによる自動切断

岩谷瓦斯㈱姫路工場 ハイドロカット充填設備