大陽日酸、露ガスプロム社と東シベリアでのヘリウム開発に関する覚書を締結

 大陽日酸は、米国 100%子会社 Matheson Tri-Gas, Inc.(以下、MTG)を通じて、ロシア国営天然ガス企業のガスプロム社の子会社であるガスプロム・エクスポート社と、東シベリアでガスプロム社が開発中の天然ガス田におけるヘリウム開発での協力関係についての覚書(MOU)を締結した。

 ガスプロム社は2012年 10 月 30 日に、東シベリアと極東ウラジオストクを結ぶ天然ガス輸送パイプラインの建設計画を発表している。同計画では、東シベリアのチャヤンダ・ガス田で生産する天然ガスを、ウラジオストクに建設する液化天然ガス(LNG)基地まで輸送することになっている。同ガス田はヘリウムを多く含有するため、天然ガスの生産に併せて、ヘリウムの精製・液化を行うことが予定されている。

 大陽日酸グループは、長年培ってきたヘリウムの供給に関する経験・技術、並びに2013年夏より米国で稼働予定のヘリウム生産設備に関する技術・ノウハウを活かし、ヘリウムビジネスにおける戦略的パートナーとしての役割を担うべく、今後協議を行うとしている。本計画によるヘリウム生産開始は 2018 年頃となる予定。

ガスプロム・エクスポート社概要

 ガスプロム社の100%子会社で、ガスプロム社が生産する天然ガスの輸出業務だけではなく、石油や石油製品、石化製品なども取り扱う。新たなガス市場についてのマーケティング並びに天然ガス市場動向の分析・予測等を行うとともに、ロシア国内外でのガスプロム社によるガス及びエネルギー開発プロジェクトの検討・実行等にも加わる。