タテホ化学工業、 電磁鋼板用マグネシア工場を新設

 エア・ウォーターグループでマグネシア事業を担うタテホ化学工業(以下タテホ化学)は、電磁鋼板用マグネシアの新工場(以下:響灘工場)を福岡県北九州市響灘臨海工業団地に新設した。タテホ化学は、兵庫県赤穂市において海水産業のパイオニアとして、電磁鋼板用をはじめとする各種マグネシアを製造販売している。
 電磁鋼板用マグネシアの需要増加への対応ならびに、BCP(緊急時事業継続計画)の観点から新工場建設により、生産の分散を図りマグネシア製品の長期的な安定供給体制を強化する。

 タテホ化学は、電力インフラ建設時に使われる方向性電磁鋼板の製造において不可欠なマグネシアの、世界需要の約40%を製造供給しているマグネシアのトップサプライヤー。世界の電力需要は、中国および新興国の電力消費拡大を背景に、2040 年まで年率2.2%成長が続くものと予想されている。その結果、電力インフラ整備に不可欠な変圧器用の高級品を中心とした方向性電磁鋼板の需要拡大が見込まれており、タテホ化学においても電磁鋼板用マグネシアの需要が引き続き旺盛であるものと見込んでいる。

 電磁鋼板用マグネシアの生産拠点はこれまで兵庫県赤穂市の1拠点のみであり、堅調な需要の増加、さらにはBCPの観点より、拠点の複数化が課題の一つとなっていた。さらにマグネシアの原料である苦汁は、海水から塩とともに生産され、製塩メーカーより供給を受けているが、その数量には限りがあることも課題であった。
 今後完成する響灘工場は、海水からマグネシアを直接生産する製法により無尽蔵である海水資源を有効に活用し、マグネシアの更なる安定的な供給を行なうもの。今後、響灘工場は、海水を原料に新たな製品や技術を生み出す、エア・ウォーターグループの海水産業創出の拠点として活かしていく。

【新工場の概要】
(1) 所在地 :福岡県北九州市若松区響町1丁目26番2
(2) 生産能力:赤穂工場生産能力の約8割
(3) 工場従業員:約20人
(4) 投資額 :約35億円
(5) 営業運転:2016 年10 月を予定