京野菜の冷凍加工工場完成、独自の冷凍技術「フレッシュ・アイ製法」生かす

 岩谷産業は、2015年12月に農業生産法人「こと京都株式会社」(以下:こと京都)との共同出資による「こと京野菜株式会社」(以下:こと京野菜)を設立したが、同社の亀岡工場(京都府亀岡市)が2017年3月21日に完成した。
 九条ネギをはじめとする京都府内で栽培した伝統的な京野菜を冷凍加工して、4月より順次出荷開始する。

 こと京都や京都府内のJAや農家から調達した京野菜を、岩谷産業が有する独自の冷凍技術「フレッシュ・アイ製法※1」を用いて、冷凍加工する。こと京野菜は、農林漁業者であること京都と、パートナー企業である岩谷産業による共同出資で設立された6次産業化(※2)事業体。

 まずは九条ネギの冷凍加工を中心に、こと京都、岩谷産業両社の販路を活用して国内の大手外食チェーン、スーパーなどの市販ルートをターゲットとして販売する。
 今後は、万願寺とうがらし、伏見とうがらし、賀茂茄子、丹波黒枝豆、聖護院大根、堀川ごぼう、金時人参など、その季節でしか味わえない京野菜を一年間通じて出荷できるよう、冷凍京野菜を製造する。

 岩谷産業は1974年より冷凍食品事業に参入。自社ブランド「フーズランド」では約300品目の冷凍野菜・水産加工品・畜肉加工品の輸入販売を行う。2002年に開発した冷凍野菜の鮮度、おいしさ、栄養価を保持する「フレッシュ・アイ製法」を用いた高品質な冷凍野菜は、大手外食チェーン、惣菜加工会社などから高い評価を受けている。

 ブランド力のある京野菜をいつでもおいしく食べられるという高付加価値を武器に販売戦略を進める。地元の京都府内で採れた京野菜を使い、地域農業の活性化に貢献。今後は、海外にも「メイド・イン・ジャパン商材」として展開していく。
 

 

※1 「フレッシュ・アイ製法」とは、2002年に岩谷産業が開発した冷凍野菜の鮮度、おいしさ、栄養価を保持する独自製法。原料の水分、栄養バランスを保つ処理を行うことで、野菜本来の風味、食感を生かして加工処理、凍結を行う。
※2 「6次産業化」とは、地域ごとの資源を生かして、農林漁業者が1次産業(生産)・2次産業(加工)・3次産業(流通・販売)を一体化することや、1次産業・2次産業・3次産業が連携して新しいビジネスの展開や営業形態をつくり出すこと。