能動型機器接続用ストップコックバルブ「ファイアセーフⅡ」 販売開始

 大陽日酸は、在宅酸素療法等の酸素吸入時に万一火災が発生した際に、延焼防止の一助となる医療機器「ファイアセーフⅡ」を2018年 1 月末に販売開始する。
 在宅酸素療法とは、慢性呼吸不全の患者が居宅において高濃度の酸素を吸入する治療法で、日本国内では約 16 万人の患者がおり、治療(酸素吸入)には、酸素濃縮装置や液体酸素気化式供給装置、酸素ボンベを使用している。
 酸素ガス自体は燃えないが、酸素ガスには他の燃焼を助ける性質(支燃性)があり、居宅で吸入するにあたって、火気に近づかないこと、火気の使用を避けることなどの注意が必要とされている。患者には、医療機関またはサービスプロバイダーから火気取扱いに関する指導が行なわれているほか、厚生労働省や関連団体からも繰り返し注意喚起が行われているが、喫煙等が原因と考えられる火災による怪我や死亡事故が繰り返し発生している。また、火災事故はヨーロッパにおいても深刻な問題として対策が行なわれている。
 「ファイアセーフ」は、万が一の火災発生時に酸素による延焼を防止するための機器として開発された医療機器で、大陽日酸では 2011 年より取扱いを開始していた。今回、利便性を向上し、使用領域を拡大した新機種「ファイアセーフⅡ」の取扱いを開始するもの。

 「ファイアセーフⅡ」は、酸素吸入を必要とする患者(主に在宅酸素療法実施の患者)を対象とし、酸素供給源とカニューラ及びマスク等の間に取り付けて使用する。本品より末端(患者)側の酸素チューブに着火した場合、本品内部のバルブが作動し、上流(供給源)側からの酸素ガスの流れを遮断することで延焼を防止する安全装置で、これにより在宅酸素療法等の酸素吸入における火災事故の被害低減を図る。
 火気が本品の出口側に引火し加熱されると、ボディの先端が溶融して、内部スプリングの力によってバルブが外側に押し出される。その結果、バルブの根元の Oリングが本体内装に押し付けられ、酸素の経路が閉鎖されて酸素入口側からの酸素供給を遮断する。

【特徴(既存の「ファイアセーフ」との差異)】
■利便性の向上
 「ファイアセーフ」は酸素の流れに併せて接続の方向をセットする必要があったが、「ファイアセーフⅡ」は、方向を気にすることなく接続するだけで機能するため、高齢の方も簡単かつ安心して使用することができる。
■使用領域の拡大
 「ファイアセーフ」は、病院内で使用する酸素流量調整器(クラスⅠ医療機器)に接続する機器として開発された。「ファイアセーフⅡ」は、主に在宅酸素療法で使用される酸素濃縮器、液体酸素気化式供給装置(いずれもクラスⅡ医療機器)等の能動型医療機器に接続して使用できる機器として承認を取得した。これにより、より高度な医療機器との接続が可能となる。