日本エア・リキード、「川崎水素ステーション」の営業開始

 日本エア・リキードは、神奈川県川崎市に建設した「川崎水素ステーション」の営業を2018年3月30日より開始した。

 経済産業省と神奈川県から助成を受けて建設した同ステーションは、日本エア・リキードが直接所有・運営するものとしては愛知県の2カ所(豊田通商株式会社との合弁事業)、佐賀県、福岡県、兵庫県の各1カ所に続く6番目となる。現時点で国内では約100カ所の水素ステーションが稼動しており、「川崎水素ステーション」は神奈川県内では13番目、定置式としては川崎市初の商用ステーションとなる。

 日本では水素社会実現に向けた基盤構築に向けステーション整備官民目標(2025年度までに320か所、2030年頃までには900カ所)が政府により掲げられており、この目標に貢献すべく日本エア・リキードを含む関係各社で「日本水素ステーションネットワーク合同会社」を設立した。日本エア・リキードは、来年度以降日本水素ステーションネットワーク合同会社での活動を通じて2021年度までの4年間で約20か所のステーション建設をめざす。

 川崎水素ステーションは、日本エア・リキードのガス生産拠点(川崎オキシトン川崎工場、川崎市川崎区小島町)に隣接して建設される。建設時間短縮やコスト削減をめざし、圧縮機などの主要機器をひとつの筐体に収めた、エア・リキード独自の標準パッケージ方式を新たに採用している。

 水素はクリーンな輸送を実現し、「空気の質」を高めるエネルギーとして期待されている。燃料電池は、水素と大気中の酸素により電気を発生させ、副生排出物は水のみ。エア・リキードは、製造、貯蔵、輸送、アプリケーション開発まで水素に関する幅広い分野に携わっており、既ににエア・リキードは世界でおよそ100カ所の水素ステーションを設計・据付している。

 日本エア・リキード、株式会社 矢原史朗社長兼CEOのコメント:「エネルギー・環境の転換はエア・リキードが貢献をめざす世界的メガトレンドのひとつであり、エネルギーとしての水素利用は、私どもがお届けできるソリューションの代表例です。とくに日本においては官民をあげた体制作りが始まりつつあり、イノベーションと投資で主導的な貢献ができますことは喜ばしく、今後も努力を続けてまいります。川崎水素ステーションの建設に当たり、多大なご支援をいただいた経済産業省、神奈川県、川崎市、ならびに地域関係者の皆様に感謝申し上げます。神奈川県と東京都を結ぶ中継地点という立地を活かし、水素モビリティ発展の重要拠点となるよう努めます。」