日本エア・リキード、ヘリウムガス値上げ

 日本エア・リキードは、2019年1月からヘリウムガス(混合ガスを含む)の販売価格を値上げする。改定幅は取引状況・形態による。
 ヘリウムガスは海外の天然ガス田から分離精製される希少資源であり、日本国内ではほぼ全量をアメリカ、中東(主にカタール)からの輸入に依存している。近年、ヘリウムの需要としては医療用MRIの大幅な増加、光ファイバーや半導体製造、宇宙開発、新規産業(FCV向け水素タンク、蓄電池等)におけるリークテスト等により増加。また、中国の工業化も需要の拡大要因になっている。
 一方、供給面では2018年後半以降、アメリカの供給元の計画的な減量、突発的なトラブルによる供給量の減少に加え、中国をはじめとするアジア圏での急速な使用量の増大により急速に需給バランスが不安定になり、今後数年間にわたって需給状況が厳しくなると想定されている。
 日本エア・リキードでは安定供給を最優先させ、原料ヘリウムの割当量の確保を確実にするため今回の価格改定を行うとしている。