デンケン・ハイデンタルが保険適用大臼歯向けのCAD/CAM冠用ブロック材料開発

「ブリージョ CAD Hブロック」

「ブリージョ CAD Hブロック」

 エア・ウォーターグループで歯科関連事業を行うデンケン・ハイデンタル(奥野裕志代表取締役社長)は、大臼歯向けCAD/CAM 冠用ブロック材料「ブリージョ CAD Hブロック」を開発し、販売を開始した。仕上げ時に良好な研磨性が保たれる使いやすさと、歯に強い力がかかっても耐えることができる強度と粘り強さを両立させるため、エア・ウォーター総合開発研究所と共同で研究開発を行い、組成の配合バランスの選定と混合・硬化におけるプロセスの最適化を行った。今後3年間で切削加工機など周辺機器の販売も含めて26億円の売上を目指す。

 近年、虫歯の治療においては、コンピュータで設計・加工支援を行うCAD/CAMシステムを使用し、レジン材料(プラスチック系材料)と特殊フィラー(シリカ・セラミック系などの無機微粒子)を組み合わせたハイブリッドレジンのブロック材を歯の形に削り出す「CAD/CAM 冠」と呼ばれる被せ物を用いた施術が増加している。この被せ物は、従来使われていた金属冠と比較して、天然歯のような色調をもつ審美性を備え、金属アレルギーの心配がない。また、2014年4月に小臼歯(前から4-5番目)、2017年12月に下顎の第一大臼歯(前から6 番目)に保険適用が開始されたことで、さらなる需要の拡大が見込まれるとしている。

 エア・ウォーターグループの医療関連事業では、高度医療分野にかかわる事業とともに、歯科や衛生材料といった「くらしの医療」分野への事業領域の拡大にも注力、デンケン・ハイデンタルは歯科医院向けや歯科技工所向けに、鋳造機などの歯科技工機器および、鋳造用金属や義歯床用樹脂などの材料を、製造・販売する歯科医療用機器・材料の総合メーカーとして事業を展開している。

【製品特長】

  1. スムーズな研磨性:数種類の特殊フィラー(シリカ・セラミック系などの無機微粒子)をバランスよく配合することで、研磨性が良好との評価が高い小臼歯向け「ブリージョ CAD S ブロック」と同等の研磨性能を有する。
  2. 高強度化:フィラーと高強度レジンマトリックスを独自技術により均一に分散後、超高圧成型することで、大臼歯の咬合圧に耐えることができる高強度で高靭性化(外圧によって破壊されにくい粘り強さ)を実現。曲げ強さは大臼歯用 CAD/CAM 冠材料の基準値 240MPa を超える 260MPa まで耐えられる設計。
  3. 耐着色性:優れた耐着色性により、口腔内でも長期に色調が安定。
  4. 耐磨耗性:優れた耐摩耗性により、歯ブラシによる磨耗の影響もわずか。

【デンケン・ハイデンタル会社概要】

  • 会社名 :デンケン・ハイデンタル株式会社
  • 設立 :2014 年 7 月
  • 本社所在地:京都市山科区大宅石郡町 130
  • 代表者 :代表取締役社長 奥野 裕志
  • 資本金 :48 百万円
  • 株主 :エア・ウォーター株式会社 96.2%
  • 事業内容 :歯科医療用機器・材料、理化学機器、電子応用機器の設計・製造・販売
  • 従業員 :80 名
  • 業績 :売上高 25 億円(2018 年 3 月期)