水素・燃料電池戦略協議会、新「水素・燃料電池戦略ロードマップ」策定

 経済産業省の水素・燃料電池戦略協議会は、水素社会の実現に向けて、水素基本戦略及び第5次エネルギー基本計画で掲げた目標を確実にするため、2019年3月12日、新たな「水素・燃料電池戦略ロードマップ」を策定した。本ロードマップでは、(1)目指すべきターゲットを新たに設定(基盤技術のスペック・コスト内訳の目標)し、目標達成に向けて必要な取組を規定するとともに、(2)有識者による評価WGを設置し、分野ごとのフォローアップを実施する。

 新たに設定されたターゲットは、水素の利用では2025年頃にFCVをHV並の価格競争力へ価格差低減(300万円→70万円へ)、主要な要素技術のコスト低減(燃料電池システム約2万円/kW→0.5万円/kW、水素貯蔵システム約70万円→30万円)、水素ステーションの整備・運営費の削減(整備費3.5億円→2.0億円、運営費3.4千万円/年→1.5千万円/年)、ステーション構成機器のコスト目標(圧縮機0.9億円→0.5億円、蓄圧器0.5億円→0.1億円)、2020年代前半に燃料電池バスの車両価格を(1億500万円→5250万円)へ、2020年に水素専焼発電の効率を26%から27%へすることなどが規定された。

 また、水素の供給では、2020年代前半に褐炭ガス化による水素製造コスト(数百円/Nm3→12円/Nm3)、貯蔵・輸送における液化水素タンクの規模(数千㎥→5万㎥)、水素液化効率(13.6kWh/kg→6kWh/kg)、再エネ水素供給で2030年に水電解装置のコスト(20万円/kW→5万円/kW)、水電解効率(5kWh/Nm3→4.3kWh/Nm3)などとなっている。