大陽日酸、ヘリウムガス価格を20%以上の値上げ

 大陽日酸は、ヘリウムガスの出荷価格を次のとおり改定する。

  1. 対象製品:ヘリウム製品 (シリンダー、トレーラー、液体、特殊ガス)
  2. 改訂時期:2020年1月1日出荷分より
  3. 改定幅:現行価格 20%以上 + 輸送コスト(※)※納入条件に応じ輸送コスト上昇分の改定

 ヘリウムガスは海外の天然ガスから精製、生産される希少資源で、世界的に供給の多くを米国、カタールに依存しており、日本においては全量輸入している。

 世界のヘリウム生産量は、2017年以降、中東での政情不安による輸送問題、生産基地の老朽化による突発トラブル、米国土地管理局の段階的な減産計画により減少している。一方、需要面では中国、インド、新興国での半導体や光ファイバーの製造、医療用のMRI、宇宙産業の発展による急激な需要増加があり、今後数年間は、需給バランスが崩れた状況が継続する見込み。

 大陽日酸ではこうした状況下、安定供給体制を確保するために、調達先の複数化、新規ソースの開拓など、あらゆる手段を講じているとし、これらの取組みに伴う大幅なコスト上昇は、自助努力の限界を超えており、価格の改定を行う。