エア・ウォーター、精密研磨パッド・人工皮革を製造・販売するFILWEL(フィルウェル)の全株式取得

 エア・ウォーターは、精密研磨パッド・人工皮革を製造・販売する株式会社 FILWEL(本社:山口県防府市 代表取締役社長 中村 和彦、以下:FILWEL)の全株式を2019年9月27日付で取得し、子会社化した。

 エア・ウォーターグループのケミカル事業は、医農薬・電子材料などの先端産業に向けて、特長ある素材を提供する機能化学品メーカーへの転換を進めている。なかでも電子材料分野においては、IoTやAIの実用化に伴い、電子機器に実装される各種素材において微細化、多層化、高耐熱化などが要求されており、市場全体に大きな変革が求められている。こうした環境を踏まえ、エア・ウォーターでは電子材料分野をターゲットに特長ある機能化学品事業の拡大を目指してきた。

 FILWEL は、カネボウの研究開発部門を起源とし、繊維・高分子技術を核としながら、人工皮革や精密研磨用パッド材料の製造・販売を行っている。特に、精密研磨パッドは、電子デバイスなどの製造において、超精密な表面仕上げが要求される用途において使用されており、売上高の約7割を占める。また、今後の超スマート社会の到来に伴い、大量データの高速処理・ストレージが要求される中、精密研磨を必要とする各種エレクトロニクス関連製品に関しても高性能化および需要の拡大が見込まる。

 こうした中、エア・ウォーターは、FILWEL を子会社化することで、同社がもつ精密研磨パッドに関連する材料事業をケミカル関連事業に組み込み、電子材料分野のラインナップ拡大を図る。現在、エア・ウォーターグループでは、半導体用ガスをはじめ、研磨スラリー、封止材関連材料、パッケージ基板用材料など、半導体製造の前工程から後工程まで、様々な材料を提供する。今後、各社の特長ある製品を顧客のニーズに応じて最適に組み合わせ、総合提案を行っていくことで、電子材料分野における事業強化を目指す。

 一方、人工皮革製品は、靴や鞄などの生活アイテムの主材料として活用されている。同社の人工皮革は、ランドセル、雑貨などの分野で高い評価を得ており、今後もユーザーのニーズにあった商品開発を目指す。

 FILWELの本社・工場は、エア・ウォーター防府事業所に隣接しており、ユーティリティの相互活用など、グループ全体でのシナジー効果を見込む。

株式取得の概要
  1. 取得日:2019年9月27日(金)
  2. 出資割合:発行済株式の100%
株式会社FILWELの会社概要
  1. 会社名:株式会社FILWEL
  2. 営業開始日:2005年3月
  3. 本社所在地:山口県防府市鐘紡町3番1号
  4. 代表者:代表取締役社長 中村 和彦
  5. 資本金:50百万円
  6. 事業内容:各種精密研磨パッド、人工皮革等の製造及び販売
  7. 従業員数:138人(2018年12月現在)
  8. 業績:売上高 31.2億円(2018年12月期)