甲信越エア・ウォーター、山梨県南アルプス市にシリンダー充填工場を稼働

 エア・ウォーターグループの甲信越エア・ウォーター株式会社(本社:長野県松本市、代表取締役社長 樋口 貴哉)は、医療器具や衛生材料の滅菌に使用する滅菌ガス(商品名:ダイサイド)と、酸素、窒素、二酸化炭素などの一般産業・医療用シリンダーガスを充填する工場を山梨県南アルプス市に建設し、11月1日から稼働を開始した。

甲信越エア・ウォーター 山梨工場
甲信越エア・ウォーター 山梨工場

 エア・ウォーターグループの医療ガス事業では、医療用酸素をはじめ、MRI用の液化ヘリウム、腹腔鏡手術における二酸化炭素、医療器具の滅菌用の滅菌ガスなどを安定供給している。

 今回、長野・山梨・新潟地区を事業エリアとする甲信越エア・ウォーター株式会社では、需要が拡大する滅菌ガスの安定供給と産業・医療用ガスの事業強化を目的に、充填工場の空白地域である山梨エリアにシリンダー充填工場を新設した。

 製造ラインを新設した滅菌ガスは、酸化エチレンに二酸化炭素を混合し希釈することで、不燃性を高めた状態で高圧容器に充填した製品。滅菌ガスは、病原性微生物を死滅させる強い滅菌性能をもち、強い拡散性、高い浸透性、金属の非腐食性などの特長がある。また、熱による滅菌手法などと比べて低温で作用するため、耐熱性
の低いゴム製品やプラスチック類などの滅菌に用いられ、病院をはじめとする医療機関や医療機器・衛生材料メーカー等で使用されている。

 エア・ウォーターグループは、滅菌ガスの販売において業界トップシェアを有しており、今回、新工場が稼働したことによって、東日本全域への滅菌ガスの安定供給体制をさらに盤石なものとした。また、新工場では、最新の品質管理基準に適合した検査設備等を導入しており、顧客の高度な品質管理要求に応えられる管理体制を実現している。

 また、山梨工場では滅菌ガスだけでなく、酸素、窒素、二酸化炭素などの一般産業ガスの充填も行う。これまで、山梨地区の顧客には、他県の近隣充填所からシリンダーを配送することでガス供給を行っていたが、充填工場の新設を機に、供給ネットワークの拡充を図る。また、既存販売店との連携を行いながら、地域での存在感を高め、同地区での事業強化を目指す。

新工場の概要
  • 名称:甲信越エア・ウォーター 山梨工場
  • 住所:山梨県南アルプス市六科 (八田御勅使南地区工業団地内)
  • 延床面積:約1800 ㎡
  • 生産品目:滅菌ガス(酸化エチレン+炭酸ガスの混合ガス)、(ダイサイド シリーズ3種)ダイサイドH(N)、ダイサイドH20(N)、ダイサイドH30(N)、酸素、医療用酸素、窒素、二酸化炭素