日本液炭が宇部興産敷地内に液化炭酸ガス・ドライアイス製造工場を新設

 大陽日酸子会社の日本液炭(賢持善英 社長)は、山口県宇部市の宇部興産宇部藤曲工場の敷地内に、液化炭酸ガス及びドライアイス製造工場(以下「宇部工場」)を新設する。生産能力は液化炭酸ガス200トン/日、ドライアイス150トン/日(黒崎工場と水島工場からの移転分を含む)。完成は2021年11月予定、投資額は約60億円。

 山口県宇部市の宇部興産から借用する敷地内(山口県宇部市大字藤曲2575番地 )に、同社のアンモニア製造プラントから副生される炭酸ガスを原料として製品を製造する宇部工場を新設し、炭酸ガスの再利用促進と共に、製品の安定供給体制を確保する。

 また、ドライアイス製造機能を、日本液炭の黒崎工場(三菱ケミカル株式会社・福岡事業所内)と水島工場(三菱ケミカル株式会社・岡山事業所内)から宇部工場に移転集約すると共に、ユーザーのニーズに併せた使用形状まで加工できる設備も備えることにより、ドライアイス事業の効率化を進める。

 日本液炭は、国内の石油精製や化学プラントから副生される炭酸ガスを回収し、液化・精製して、液化炭酸ガスやドライアイスとして販売することで、環境負荷低減に貢献しているが、近年、原料ガスの大幅な減少により、製品需給は恒常的に逼迫している。

 宇部興産宇部藤曲工場は、2013年よりグループ会社の宇部アンモニア工業有限会社(三浦英恒社長、山口県宇部市)の工場運営業務を受託している。