エア・ウォーター、新型コロナウイルスに関する一酸化窒素ガス(NO)吸入療法の報道について

 エア・ウォーターは、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)による肺炎の重症化を防ぐことを目的に、アメリカの病院に勤務する日本人医師らが一酸化窒素ガス(NO)の吸入による臨床試験を行っている旨の報道に関し、コメントを発表した。

 エア・ウォーターは、海外メーカーが製造する一酸化窒素製剤「アイノフロー® 吸入用800ppm」(以下、「本ガス性医薬品」という)の日本国内における薬機法上の製造販売承認を得ており、国内で唯一、本ガス性医薬品とその投与装置である「アイノフローDS」を使用した一酸化窒素ガス(NO)吸入療法を医療機関に提供している。

 現在、国内で認められている一酸化窒素ガス(NO)吸入療法の症例適用範囲は、「新生児の肺高血圧を伴う低酸素性呼吸不全の改善」と「心臓手術の周術期における肺高血圧の改善」になる。なお、一酸化窒素ガス(NO)吸入療法が新型コロナウイルス感染症(COVID-19)による肺炎の重症化を防ぐ効果については、今後の医療研究機関や学会における臨床試験の結果に基づく厚生労働省の判断を待つ必要があるとしている。

参考

1.本ガス性医薬品の販売名等
  • 販売名:アイノフロー® 吸入用800ppm
  • 承認番号:22000AMI00004000
  • 販売開始:2010 年1 月
2.本ガス性医薬品の効能または効果
  • 新生児の肺高血圧を伴う低酸素性呼吸不全の改善
  • 心臓手術の周術期における肺高血圧の改善
3.一酸化窒素(NO)吸入療法の特長
  • 一酸化窒素(NO)を肺から吸入させることにより、肺血管の拡張作用を示す。
  • 一酸化窒素(NO)吸入療法は、選択的に肺血管の拡張に作用して肺動脈圧を低下させるため、全身の血圧が下がりにくいことが特長。
4.本ガス性医薬品の投与装置

 本ガス性医薬品の投与には、専用の投与装置である一酸化窒素ガス管理システム「アイノフローDS」もしくは同装置と同等以上の性能を有する投与装置が必要。

5.本ガス性医薬品の製造販売業者等
  • 選任外国製造医薬品等製造販売業者:エア・ウォーター株式会社
  • 外国製造医薬品等特例承認取得者:マリンクロット マニュファクチュアリング エルエルシー(米国)
  • 製造(輸入)業者:住友精化株式会社

※本ガス性医薬品は、「処方箋医薬品」となる。医師が診断した上で発行する処方箋に基づいて使用される医品であり、それ以外での入手・使用はできない。