日本酸素HD 2021年3月期第2四半期連結決算(国際財務報告基準)

売上収益9.1%減、コア営業利益19.2%減。セパレートガスの出荷は緩やかに復調

 日本酸素ホールディングスの2021年3月期第2四半期連結決算(国際財務報告基準)は、売上収益3845億0500万円(前年同期比9.1%減)、コア営業利益367億2700万円(同19.2%減)、営業利益366億6500万円(同21.6%減)、親会社の所有者に帰属する四半期利益210億0100万円(同24.3%減)だった。サーモス事業を除く第2四半期の売上収益3734憶円の事業別割合は、産業ガス68%、エレクトロニクス19%、メディカル8%、エネルギー5%で第1四半期と変わらなかった。

 新型コロナウイルス感染症の世界的拡大により、第1四半期は進出国及び地域で大幅な景気低迷と需要減退の局面を迎え、製造業の生産活動も急速に減速・停滞していたが、第2四半期に入り、全般的に回復の兆しとなった。四半期単位でのセパレートガス(酸素、窒素、アルゴン)の出荷は緩やかに復調しつつある。

 通期の予想は、2020年5月12日に公表した2021年3月期の連結業績予想を維持した。年間の配当予想も28円で修正は無い。

 セグメント別の業績は次の通り。(利益ははコア営業利益)

【国内ガス事業】

 産業ガス関連では、主力製品であるセパレートガスの売上収益は、関連業界での生産活動が低調に推移し、前期に比べ大きく減少した。一方、エレクトロニクス関連での電子材料ガスの売上収益は、前期並みとなった。機器・工事では、エレクトロニクス関連で大きく増収となったが、金属加工向けの溶接・溶断関連機材を中心に前期を大きく下回った。売上収益は1571億2500万円(前年同期比9.7%減)、セグメント利益は114億7600万円(同6.8%減)。

【米国ガス事業】

 産業ガス関連では、パッケージ・バルクを中心に、主力製品であるセパレートガスの売上収益は大きく減少した。オンサイトでは、供給先の需要低下の影響で前期を下回った。機器・工事では、エレクトロニクス関連での売上収益は増加したが、金属加工向けの溶接・溶断関連機材では、州内での小売店舗の営業活動自粛の影響もあり、大幅に減少した。売上収益は912億5300万円(前年同期比7.8%減)、セグメント利益は96億3100万円(同18.0%減)。

【欧州ガス事業】

 主要地域となるイベリア(スペイン・ポルトガル)、ドイツ、イタリアでは、生産活動全般で停滞が生じたことにより、バルクガスの需要は大きく落ち込んだ。また、オンサイトでは、供給先の需要低下の影響を受けて、大幅に減少した。機器・工事では、金属加工向け溶接・溶断関連機材を中心に大きく減少した。売上収益は748億2100万円(前年同期比12.3%減)、セグメント利益は86億4900万円(同34.6%減)。

【アジア・オセアニアガス事業】

 産業ガス関連では、フィリピン等での都市部封鎖や製造業の生産活動停滞の影響を受け、主力製品であるセパレートガスの売上収益は大きく減少した。LPガスでは、仕入での契約価格低下による販売単価下落はあったが、豪州での出荷は堅調だった。エレクトロニクス関連では、東アジアでの電子材料ガスの出荷は好調だった。機器・工事では、台湾での工事案件の剥落に加え、シンガポールでのスポット案件の減少と金属加工向け溶接・溶断関連機材を中心に大きく減少した。売上収益502億6400万円(前年同期比2.6%減)、セグメント利益56億7300万円(同5.5%造)。

【サーモス事業】

 国内では、第1四半期連結会計期間での外出制限や営業自粛要請により、行楽シーズンでの販売機会を喪失した影響が大きく、主力製品のケータイマグの売上収益は大きく減少した。一方、自宅で過ごす時間の長い新たなライフスタイルが浸透したことに関連し、フライパンやタンブラーの販売数量は大きく増加した。海外では、各地域での景気減退の影響を受け、販売数量が減少した。売上収益は110億3900万円(前年同期比15.4%減)、セグメント利益は21億1200万円(同48.9%減)。