川本産業 2021年3月期第2四半期連結決算

大幅増収増益。通期業績予想を上方修正、期末配当予想は4円増配

 エア・ウォーターグループで衛生材料・医療用品の製造販売を行う川本産業の2021年3月期第2四半期連結決算は、売上高155億6800万円(前年同期比29.3%増)、営業利益7億9600万円(同1570.3%増)、経常利益8億3000万円(同872.2%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益6億7300万円(同966.9%増)となった。

 2021年3月期の通期連結業績予想を上方修正し、売上高290億(前年同期比15.6%増)、営業利益10億円(330.7%増)、経常利益10億5000万円(同251.3%増)、親会社株主に帰属する当期純利益7億4000万円(同190.8%増)とした。また期末配当予想を4円増配し、年間配当金予想を12円に修正した。

 医療衛生材料業界は、新型コロナウイルス感染症の拡大の影響により、世界規模で感染防止・公衆衛生への意識が高まることとなり、国内では医療機関のみならず、商業施設や一般家庭においても感染防止に対する取り組みが行われた。この結果、全国的にマスクや手指消毒剤をはじめとした感染管理製品の需要が高まった。一方、当業界は政府による医療費適正化に向けた取組みの流れの中にあり、衛生材料を含む医療消耗品は引き続き価格競争に晒され、厳しい事業環境が継続すると予想される。加えて、育児用品の業界において、2019年の国内出生数は90万人を下回り、4年連続で低下するなど、マーケットの縮小に直面しており、厳しい事業環境が継続している。

 こうした中、川本産業は、新型コロナウイルス感染症の拡大による感染管理製品の需要に対応するとともに、工場における生産性の改善や経費削減に取組み、利益率の改善に取り組んだ。特に感染管理製品については、販売への取組みのみならず、原料・資材を安定的に供給できる仕入先の確保や医療機関、商業施設や一般家庭の感染防止に貢献する製品開発に取り組んでいる。

 セグメント別の業績は次のとおり。

メディカル事業

 新型コロナウイルス感染症の影響により、マスクや手指消毒剤、医療機関等で使用する個人用防護具など、感染管理製品の売上が増加した。また、2020年1月下旬より子会社である浙江川本衛生材料有限公司において、マスクの増産を行っており、同年6月までのマスクの増産および販売の影響が含まれる。加えて、前期第4四半期連結会計期間に子会社化した株式会社サカキL&Eワイズの売上高、経常利益が当第2四半期連結累計期間に含まれる。売上高は50億5598万円(前年同四半期比36.6%増)、経常利益は5億8583万円(同997.5%増)。

コンシューマ事業

 新型コロナウイルス感染症の影響により、感染管理製品は幅広い顧客から需要が高まり、売上が増加した。加えて、前第3四半期連結会計期間に事業譲受したニシキ株式会社の売上高、経常利益が当第2四半期連結累計期間に含まれいる。売上高は105億1272万円(前年同四半期比26.0%増)、経常利益は4億7128万円(同89.8%増)。