東京大学 生産技術研究所とエア・ウォーターが「IoT センシング解析技術」社会連携研究部門を設置

スマート農業の実現と医療画像診断システムの開発目指す

 東京大学 生産技術研究所(岸 利治所長、以下、東大生研)とエア・ウォーターは2020 年 12 月 1 日、「IoT センシング解析技術」社会連携研究部門を設置した。東大生研とエア・ウォーターの双方が持つ英知を結集し、幅広い事業に共通となる技術を擦合せて統合することで、スマート農業や新たな医療画像解析システムの開発などにつなげ、エア・ウォーターのコーポレートスローガンでもある「地球の恵みを、社会の望みに。」を実現し、社会に貢献する。

「IoT センシング解析技術」社会連携研究部門を設置
(左から)エア・ウォーター 豊田 喜久夫 代表取締役会長・CEO と東大生研 大石 岳史 准教授

 東大生研では、公益性の高い共通の課題について、民間機関などから受け入れる経費を活用して社会連携研究部門を開設し、具体的な研究分野を協議設置、新規研究分野の発展や境界領域の育成、既存分野の活性化を推進。一方、エア・ウォーターは産業ガス、ケミカル、医療、エネルギー、農業・食品、物流、海水などの多彩な事業を展開し、さまざまな技術やサービスで顧客や地域が抱える課題に応える事業を行っている。

 両者は今回、社会連携研究部門の設置により、農業・食品分野と医療分野における研究開発を進める。具体的には、ロボットやドローンを活用し、IoTセンサーによる環境・生育データの収集を通して農業生産性を向上させるとともに、国内外でのスマート農業の実現を目指す。また、新しい 医療センシング技術を活用し、画像処理・画像解析技術を駆使することで、新たな医療画像診断システムの開発につなげる。さらに、食品中の微細異物の検出やインフラ設備の老朽化に伴う微小欠陥の検出等、幅広い分野への応用拡大を進める。

 今後は、東大生研の英知とエア・ウォーターの幅広い事業分野での技術を擦合せ統合し、包括的な連携体制を構築することで、農産物、食品やエネルギーの持続的な供給や、超高齢社会における医療・介護など、グローバルに直面する社会的課題の解決に貢献する。

社会連携研究部門の概要

  • 部門名称|和文: IoT センシング解析技術、英文: Technology for IoT Sensing and Analysis
  • 連携体制
    • 【東京大学 生産技術研究所(担当教員)】 特任准教授(兼務)/大石 岳史、特任教授(協力教員)/沖 一雄。
    • 【エア・ウォーターグループ】 〈AgroInformatics 農業〉エア・ウォーター 農業・食品カンパニー技術戦略センター、エア・ウォーター農園、Ecofroz S.A.(エクアドル)、エア・ウォーター・バイオデザイン。〈新規センシングおよび画像処理/解析〉エア・ウォーター 医療カンパニー技術戦略センター、エア・ウォーター・バイオデザイン
  • 設置期間|2020 年 12 月 1 日~2024 年 3 月 31 日
  • 研究活動経費 |年間 4 千万円、総額 1 億 6000万円