大陽日酸の紫外発光デバイス用と先端デバイス用MOCVDが日本表面真空学会の産業賞を受賞

 大陽日酸が開発した AlN、GaN などの紫外発光デバイス用および先端デバイス用 MOCVDが公益社団法人日本表面真空学会の「令和2年度産業賞」を受賞した。同賞は日本表面真空学会が、表面・真空科学関連産業の進歩発展に大きく貢献したと認められる製品、技術ノウハウまたはそれに類する成果をあげた同会会員に対して年一回授与される。

 大陽日酸は 1983 年より MOCVD 法(有機金属化学気相成長法)を用いた化合物半導体製造装置の開発に取り組んでおり、これまでに国内外のメーカー、研究機関などに 500 台以上のMOCVD 装置の納入実績がある。

 紫外発光デバイス向けとして、AlN の成膜に適した MOCVD 装置 SR4000HT を 2015 年に開発。1300℃以上の高温での成膜を可能にした装置であり、本装置を使用してプロセス開発を行い、2019 年には、発光効率の高い UV-LED エピウェハを生産可能であることを実証した。

 また、2012 年に開発した 8 インチ基板 6 枚を処理可能な大型量産装置 UR26K により、2018 年には、8 インチ Si 基板上 GaN 電子デバイス(GaN-HEMT)の高性能化と量産が可能であることを実証した。本装置の開発にあたっては、結晶成長における膜厚均一性の確保、運転時間短縮による生産性の向上、反応炉内部品の洗浄技術の 3 つの観点を考慮した。

 今後、更なる生産性の向上のための量産対応および自動搬送技術開発に取り組み、新技術、新
商品の普及を図ることで、環境負荷低減技術の普及および産業界における省エネルギー化に貢献
する。

日本表面真空学会「2020年度 日本表面真空学会 論文賞・熊谷記念真空科学論文賞・会誌賞・奨励賞・技術賞・産業賞 受賞決定のお知らせ」