住友精化 2021年3月期第3四半期連結決算

通期業績予想を上方修正、半導体向けエレクトロニクスガス販売増加

 住友精化の2021年3月期第3四半期連結決算は、売上高752億6400万円(前年同期比0.7%増)、営業利益76億3200万円(同27.3%増)、経常利益74億9900万円(同47.2%増)、親会社株主に帰属する純利益56億0800万円(同68.0%増)となった。

 通期の連結業績予想を修正し、売上高1000億円(変更なし、前年同期比0.3%増)、営業利益95億円(前回予想比15億円増、同22.2%増)、経常利益95億円(同16億円増、同38.3%増)、親会社株主に帰属する純利益65億円(同5億円増、同51.7%増)とした。配当予想は前回予想を維持し、年間配当金予想は100円で前年同額を維持した。

 業績予想の修正について、吸水性樹脂事業においては、中国顧客による衛生材料の原材料調達・在庫確保を優先する動きがあり、販売数量が増加していることに加え、原料価格が想定を下回って推移していることや、人民元高の影響などにより、営業利益が増加する見込みとなった。

 機能化学品事業、ガス・エンジニアリング事業においても、固定費の減少や半導体生産用エレクトロニクスガスの販売増加などの増益要因があり、全社の営業利益は15億円増加する見込み。一方、一部の研究開発用資産にかかる今後の稼働計画を勘案し、減損損失を計上する見込みとなったことから、親会社株主に帰属する当期純利益は5億円の増加の見込みとした。

 セグメント別業績の概要は次の通り。

吸水性樹脂

 売上高は498億1100万円(前年同期比0.1%減)、営業利益は45億2400万円(同62.7%増)。売上高は、中国顧客において衛生材料の原材料調達を優先する動きがあったことなどに
より販売数量が増加した一方、原料価格の下落に伴い売価が低下し、前年同期並みとなった。営業利益は、販売数量の増加に加えて、原料価格が下落したため、増益となった。

機能化学品

 売上高は132億8000万円(前年同期比2.6%増)、営業利益は14億6500万円(同1.4%増)。水溶性ポリマーや、微粒子ポリマーの販売数量が増加したことなどによる

ガス・エンジニアリング

 売上高は118億円(前年同期比3.3%増)、営業利益は16億7600万円(同7.4%減)。売上高については、エレクトロニクスガスなどの販売数量が増加したことにより増収となったが、営業利益については、新型コロナウイルス感染症拡大に伴い、飲食店店舗における食品用ガスの需要が減少したことなどにより減益となった。

その他

 グループは上記事業のほか、人材派遣業務等を行っている。当セグメントの売上高は3億7200万円(前年同期比25.2%減)、営業損失は4200万円。