大陽日酸と商船三井テクノトレード、神鋼環境ソリューション、日本シップヤードの4社が再エネ洋上水素製造・供給インフラ整備の検討開始

「シエラ プロジェクト」2021年4月から本格的に検討開始

 商船三井テクノトレード株式会社、大陽日酸株式会社、株式会社神鋼環境ソリューション、日本シップヤード株式会社の 4 社は、国土交通省が推進するカーボンニュートラルポート(CNP)の形成との連携を念頭に、再生可能エネルギー等を活用した洋上水素製造と水素燃料船等への水素供給を兼ねた船舶の導入と拠点形成の検討(シエラ プロジェクト*)を共同で行う旨の基本合意書を締結した。2021 年 4 月より本格的検討を行う。

 2050 年までに温室効果ガスの排出量を実質ゼロにする政府の「脱炭素」政策が打ち出される中、代替燃料の利活用の必要性が高まってきている。船舶には大量の燃料が必要であり、消費するエネルギー量に応じて対策が異なってくることが予想される。国内で海上輸送に従事している内航船は航行距離が比較的短く、水素の利活用に適しているので、今回の取り組みにおいても内航船への水素供給を主なターゲットにする。

 大きさも停泊場所も一定でない船舶向けの燃料は、燃料供給船によって届けられるのが一般的。ユーザー目線に立った供給インフラである船舶による水素燃料供給体制の整備は、海運業界における脱炭素化の基盤形成の重要な要素の一つであり、水素等への燃料転換を促進するものと考えられる。

 また、今回の水素供給インフラは船舶向けの利用だけに留まらず、海洋施設の建設等での活用や、自然災害等による陸上からのエネルギー供給網の途絶に対応する自治体の BCP 対策としての利用も視野に入れる。

 一方、洋上での再生可能エネルギーによる水素製造ならびに供給方法には、さらなる技術革新やその方法論を十分検討していく必要があり、非常にチャレンジングな取り組みとなる。プロジェクトでは、東京大学先端科学技術研究センターと一般財団法人日本海事協会の協力を得ながら解決策を検討する。

 なお、今後プロジェクトを進めていく中で協力企業・団体等の参加の可能性もあるとしている。

*シエラ プロジェクト:太古から数々の地球の生命体を生み出し、育ててきた海には、無限の可能性がある。4社は海を基盤とし、様々なエネルギー問題を解決するとともにさらなる海の活用を追求し新たな時代を切り開くという意味を込め、【SeaEra 海の時代】(シエラ)と名付けた。

【プロジェクト参画会社】

商船三井テクノトレード株式会社、東京都中央区京橋 1-1-1八重洲ダイビル 6F※(代表取締役社長 八田 宏和)、事業内容: 船舶用燃料油・潤滑油、各種機器・資材、省エネデバイス等の販売、エンジニアリングサービス、環境・安全分野の新規商材(Sox規制対応油、AR 航行支援システム等)の販売・開発

(※)2021年 5 月上旬を目途に東京都千代田区神田錦町 2-2-1 KANDA SQUARE 18F に移転。

大陽日酸株式会社、東京都品川区小山 1-3-26 (代表取締役社長 永田 研二)、事業内容:各種産業ガスの製造及び販売、産業ガス関連機器・機材・システム類の製造及び販売、空気分離装置の製造及び販売、産業ガス関連工事、設備の設計・施工・請負、医薬品、化学工業薬品の製造販売、 燃料電池自動車用水素ステーションの構成、機器、システムのエンジニアリング

株式会社神鋼環境ソリューション、兵庫県神戸市中央区脇浜町 1 丁目 4 番 78 号(取締役社長(代表取締役)大濵 敬織)、事業内容:水処理関連事業(装置/設備の設計・製造・施工・販売及び修理)、廃棄物処理関連事業(設備の設計・製造・施工・販売及び修理)、化学・食品機械関連事業(機器/装置の設計・製造・販売及び修理)、技術開発関連(技術開発・環境分析)

日本シップヤード株式会社、東京都千代田区有楽町1 丁目 5 番 1 号日比谷マリンビル 1 階(代表取締役社長 前田 明徳)、 LNG 船を除くすべての一般商船・海洋浮体構造物の設計、販売等