新型コロナウイルス感染防止で二酸化炭素濃度測定器選定のガイドラインを作成

検知原理が光学式、補正用の機能が測定器に付帯

 経産省と産業用ガス検知器工業会は、新型コロナウイルス感染症防止対策として「換気の悪い密閉空間」を改善することを目的に、換気が十分に行われているかどうかを確認するための方法として二酸化炭素濃度測定器が使用される場合に、測定器を選定する際に最低限要求される仕様等の基準を定めるガイドラインを策定した。

二酸化濃度測定器の選定等に関するガイドライン(PDF形式:126KB)

 「換気の悪い密閉空間」を改善するための換気が十分に行われているかどうかを確認するための有効な方法の一つとして、二酸化炭素濃度測定器を用いた測定がある。一方で、測定器の測定精度は測定器に用いられる検知原理等により異なるため、有識者の知見も踏まえながら、測定器を選定する際に最低限要求される仕様等の基準を定めた。

 ガイドラインでは、二酸化炭素濃度測定器の測定精度の観点から、「検知原理が光学式(注1を用いたものであること」や、「補正用の機能(注2が測定器に付帯していること」の要件を満たした機器であることを推奨している。

1 光学式:NDIR(Non Dispersive InfraRed:非分散型赤外線吸収)や光音響方式(Photoacoustic)等、二酸化炭素分子が吸収する特定の波長光を利用した検知の方式を指す。
2 補正用の機能: 測定値のズレを自動的または手動により修正する機能を指す。メーカーによっては補正を校正と呼ぶ場合もある。

 また、動作確認となる、測定器の正常な動作や大まかな測定精度を確認するための方法として、次の方法を挙げている。

  • 屋外の二酸化炭素濃度を測定したとき、測定値が外気の二酸化炭素濃度(415ppm~450ppm 程度)に近いこと。
  • 測定器に呼気を吹きかけ、測定値が大きく増加すること。
    • 呼気の二酸化炭素濃度は非常に高く、正常な測定器であれば二酸化炭素
      濃度の高い測定値が表示される。
  • 消毒用アルコールを塗布した手や布等を測定器に近づけても、二酸化炭素濃
    度の測定値が大きく変化しないこと。
    • 光学式が用いられていれば、アルコールにはほとんど反応しない。