岩谷産業、兵庫県と熊本県で新たな水素事業を構築
系統蓄電池と未利用地熱エネルギーを活用した水素製造・利活用
岩谷産業は、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構（NEDO）が公募する、水素製造・利活用の事業可能性調査にかかる委託事業に、関西電力株式会社（本社：大阪、社長：森望）他と共同で応募し、以下の２件が採択された。
（１）兵庫県淡路地域における系統蓄電池を活用した水素製造・利活用に関する調査
電力需給の調整力として活用する系統蓄電池を、水素製造装置と組み合わせて運用し、安定的・安価に水素を製造するシステムの構築を検討する。また、兵庫県淡路地域の特徴を踏まえ、モビリティや地域産業等での水素利活用について調査し、エネルギーの地産地消拡大等につながるモデル構築を目指す。
＜事業概要＞
- 事業名 ： 兵庫県淡路地域における系統蓄電池を活用した水素製造・利活用に関する調査
- 実施期間 ： 2022年6月～2023年3月
- 実施事業者 ：（代表事業者）関西電力株式会社、（共同提案者）岩谷産業株式会社、兵庫県
- 実施概要 ： ①電力系統に接続する蓄電池（系統蓄電池）と水電解装置を組み合わせた最適運用の検討、②淡路地域への水素ステーション設置など、モビリティ分野等での水素利活用にかかる調査
（２）熊本県阿蘇郡小国町における未利用地熱エネルギーを活用した水素製造・利活用に関する調査
発電等に利用されていない地熱エネルギーを水素製造に活用することにより、安定的・安価なグリーン水素製造システムの構築を検討する。また、小国町および周辺地域の産業や、災害時の電力供給など小国町の地域レジリエンス向上への水素利活用について調査し、エネルギーの地産地消拡大等につながるモデル構築を目指す。
＜事業概要＞
- 事業名 ： 熊本県阿蘇郡小国町における未利用地熱エネルギーを活用した水素製造・利活用に関する調査
- 実施期間 ： 2022年6月～2023年3月
- 実施事業者 ：（代表事業者）関西電力株式会社、（共同提案者）岩谷産業株式会社、関電プラント株式会社、東芝エネルギーシステムズ株式会社
- 実施概要 ： ①未利用地熱エネルギーを活用した安定的・安価なグリーン水素製造にかかる調査、②小国町および周辺地域の産業等での水素利活用調査、③小国町のレジリエンス向上につながる水素利活用検討
今回 NEDO に採択された 2 件の調査は、岩谷産業が長年にわたり培った水素の貯蔵・輸送の技術やノウハウを生かせるものであり、各地域で水素製造から利活用まで一貫した水素事業モデル構築を目指す。
岩谷産業は、水素エネルギー社会の実現に向け、CO2 フリー水素の大量調達やその利活用、廃プラスチックやバイオガスからの水素製造などさまざまな検討や取り組みを進めている。本取り組みは、これまで培ってきた技術やノウハウを活用し水素事業の拡大につながるもので、今後も、脱炭素エネルギー社会の実現に向けた取り組みを進めるとしている。
