岩谷産業・豊田通商・日揮HD、名古屋港近郊で廃プラガス化設備活用の低炭素水素製造の協業

2020年代中頃までに水素製造能力1.1万t/年、GHG排出量を85%削減を目指す

 岩谷産業と豊田通商株式会社(貸谷 伊知郎 代表取締役社長、以下「豊田通商」)、日揮ホールディングス株式会社(佐藤 雅之 代表取締役会長 CEO、以下「日揮 HD」)の 3 社は、廃プラスチックガス化設備を活用した低炭素水素製造に関して、愛知県名古屋港近郊での協業を検討する基本合意書を締結した。

廃プラスチックガス化設備を活用した低炭素水素製造
廃プラスチックガス化設備を活用した低炭素水素製造

 水素製造開始は2020 年代中頃を目標とする。水素製造能力は1.1 万 t/年(廃プラ回収量は8 万 t/年)で、製造する水素は天然ガスからの水素製造と比較し、温室効果ガス排出量を 85%削減(※)できる低炭素水素とする。

※2022 年 2 月、NEDO 委託事業として日揮ホールディングス㈱および、米国岩谷会社が実施した「カリフォルニア州における地産地消型水素製造・利活用ポテンシャルに関する調査」による結果。

 本事業は、2021年12 月に国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(以下「NEDO」)の委託事業「水素社会構築技術開発事業/地域水素利活用技術開発/水素製造・利活用ポテンシャル調査」に採択され、調査を進めていた。その調査により、中部圏においては、廃プラスチックの回収・水素製造・利活用のポテンシャルが高いことが明らかになったため、3 社で低炭素水素製造に向けた協業検討を行う。基本合意書の締結により、早期に基本設計業務を開始し、2020 年代中頃での水素製造開始を目標とする。

 廃プラスチックの活用により、脱炭素社会の実現に向け水素を安定的かつ安価に供給することができ、CO2排出量の削減が急務となっている発電所や各種モビリティ、港湾設備などにおける水素の利用促進、工場の脱炭素化が可能となるとしている。3 社は本協業を通じて、水素エネルギー社会の実現に向けて水素のさまざまな分野の活用を推進し、脱炭素社会の実現や資源循環の促進に貢献する。