日本液炭、ナノレベルの泡を生成する炭酸ガスハイドレートの製法を確立

 日本液炭は、ナノレベル(1µm 未満)の CO₂バブルを生成する炭酸ガスハイドレートの製造方法を確立し、パイロットプラントの建設を進める。

 同社は、ナノレベルの CO₂バブルを生成する炭酸ガスハイドレート(以下「CDH™」※1)を製造することに成功した。近年注目されている微細なバブルは、従来専用の装置を用いて生成する方法が主流だった。中でもナノレベルの CO₂バブルを生成することは困難とされてきたが、日本液炭の CDH™では、水等に溶解させるだけで容易に生成することが可能となる(図1)。

CDH™より発生する CO₂バブル電子顕微鏡写真
図1 CDH™より発生する CO₂バブル電子顕微鏡写真

 これらの CDH™が持つ特性を用いて、スポーツや美容、医療、食品など幅広い用途での展開を目指し、研究及び開発を進めている。日本液炭によれば当該技術は特許を出願しており、その一部は権利化済み。同社では、CDH™を液化炭酸ガス・ドライアイスに続く、新たな製品形態と位置付けて、商品化に取り組んでいる。

炭酸ガスハイドレートとは

 ガスハイドレートとは、水分子がある温度・圧力環境でかご状の構造を作り、そのかごの中に気体分子が取り込まれている「包摂水和物」のことを指し(図2)、気体分子が二酸化炭素のものを炭酸ガスハイドレートと呼ぶ。炭酸ガスハイドレートは、炭酸水の約50倍以上の高濃度二酸化炭素を含む※2 氷状の固体の物質(図3)。

炭酸ガスハイドレート構造模式図
図2 炭酸ガスハイドレート構造模式図
炭酸ガスハイドレート外観
図3 炭酸ガスハイドレート外観

※1 日本液炭㈱にて商標出願中
※2 炭酸水の二酸化炭素濃度を 0.5%(w/w)に対し、炭酸ガスハイドレートは約 30%(w/w)まで含有する