東洋エンジニアリング独自のCO₂と水素からメタノール合成技術を活用し、インド国営電力公社の発電所でファーストドロップを達成
工場内回収CO₂と電気分解の水素でインド初となる日産10トン規模のメタノール合成
東洋エンジニアリング株式会社(以下 Toyo-Japan)の子会社であるToyo Engineering India Private Limited(以下 Toyo-India)が、2021年にインド国営電力公社NTPC Limited(以下 NTPC)とメタノール生成技術供与について契約締結したNTPCの実証プラントにおいて、NTPC社の工場内で回収したCO₂と水の電気分解により生成した水素から合成されたメタノールのファーストドロップ*¹を2025年6月3日に達成した。

本プラントは、NTPCが保有するインドのMadhya Pradesh州に位置するVindyachal Super Thermal Power Station内に設置された。Toyo-Japanが保有するCO₂と水素からメタノールを合成する技術(g-Methanol™)を基に、Toyo-Indiaが基本設計と一部機器の調達を行い、JACKSON Ltd.が設計、調達、建設を遂行した。再生可能エネルギーのポテンシャルが高いインド国内で、生産能力10トン/日の規模で回収CO₂と水を電気分解した水素によるメタノール合成のファーストドロップを達成したのは初めてとなる。
またToyo-Japanは,経済産業省の「グローバルサウス未来志向型共創等事業費補助金」に採択された、商用スケールでのe-メタノール*²のバリューチェーンを構築する事業可能性調査を、NTPCのグループ会社であるNTPC Green Energy Limited (NGEL)と共にAndhra Pradesh州Pudimadakaのサイトにて実施している。今回の技術実証により、インドの安価な再生可能エネルギーを活用したバリューチェーン構築の実現に一歩近づいたとしている。

*1 ファーストドロップ:製品仕様(オンスペック)を満たした最初の生成物
*2 e-メタノール:再生可能エネルギーによって得られた電力で水を分解し生成されたH₂(グリーン水素)と、大気中などから回収したCO₂を合成した合成燃料の一種。そのまま船舶燃料として使用できるほか、改質によって、SAF(持続可能な航空燃料)や自動車燃料、化学原料として使用することもできる。
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