日機装、水素コジェネレーション向けに液化水素ポンプ納入

神戸市ポートアイランド地区で次世代水素燃料供給システムの実証

 日機装は、川崎重工と神戸製鋼が神戸市ポートアイランド地区で推進する「水素 CGS※1の地域モデルにおける水素燃料供給システムの効率化・高度化に向けた技術開発」に対し、液化水素ポンプスキッドを納入した。本ポンプは、川崎重工が実証を進める液化水素ポンプによる臨界圧力以上への昇圧と、中間媒体式液化水素気化器(IFV)※2を組み合わせた世界初の次世代水素燃料供給システムの主要機器として採用されている。

 納入した液化水素ポンプは、世界で450台以上の液化水素ポンプの納入実績を有する日機装グループのClean Energy & Industrial Gasesグループ (以下、「CE&IGグループ」)が製造する、信頼性の高いモデル。水素を液体のまま効率的に高圧まで昇圧できる点が特長で、ガスの状態で圧縮する方式と比べて必要な動力を大幅に抑えることができるため、発電設備全体の省エネルギー化と運用コストの低減に寄与する。
 本案件では、長年日本市場向けにポンプを提供してきた日機装のエンジニアリング部門が、日本市場特有の法規・規格(主に高圧ガス保安法)および要求仕様に適合させる設計の最適化を実施。日機装グループの技術力を結集することで、極低温領域における安全性・信頼性・効率性を兼ね備えた液化水素のハンドリングを実現している。

「水素CGSの地域モデルにおける水素燃料供給システムの効率化・高度化に向けた技術開発」
 本プロジェクトは、NEDO 補助事業として、川崎重工および神戸製鋼が共同で推進。神戸市ポートアイランド地区の神戸水素エネルギーセンターに設置した水素ガスタービン発電実証設備をもとに、液化水素ポンプ、IFV、水素ガスタービンの3つを組み合わせた水素燃料供給システムの設計・運用ノウハウの体系化に取り組む。本実証は、将来的な大規模水素発電や地域エネルギーモデルを視野に入れた重要な取り組み。

(参考)【川崎重工】世界初となる水素発電における次世代水素燃料供給システムの運転を開始
(2026年3月10日付) https://www.khi.co.jp/pressrelease/news_260310-1.pdf

今後の展望

 日機装は現在、米国CE&IGグループとの事業統合を通じて、極低温技術およびクリーンエネルギー事業の体制強化を進めている。今回の案件は、その取り組みが具体的な形で発揮された事例であり、グローバルで培った技術と日本市場への対応力を組み合わせることで実現した。今後も日機装グループとしての総合力を活かし、水素サプライチェーンに関わる製品・サービスの拡充を進めるとともに、カーボンニュートラル社会の実現に貢献する。

※1: Co-Generation System(CGS):ひとつの燃料から発電と熱の両方を同時に取り出し、効率的に利用する、熱電併給システム。発電時に発生する廃熱を冷暖房・給湯・蒸気などに再利用することで、従来の発電方法よりも高い総合エネルギー効率を実現する。
※2: 中間媒体式液化水素気化器(IFV): 気化熱源として海水や工業用水を用い、プロパンなどの中間媒体を介して、液化天然ガス(LNG)などの低温流体を気化させるタイプの気化器。中間媒体を用いることで、気化熱源の工業用水の凍結を避けられ、LNG などの低温流体の冷熱の有効活用にも適している。