世界初となる大型商船向け水素燃料エンジンの水素燃料陸上運転を開始
高効率・高出力な低速2ストローク水素燃料エンジンと液化水素燃料の組み合わせ
株式会社ジャパンエンジンコーポレーション(以下「ジャパンエンジン」)は、NEDOの「グリーンイノベーション基金事業/舶用水素エンジンおよびMHFS(註1)の開発」プロジェクトにおいて、水素を燃料とする純国産大型低速2ストロークエンジンの開発に取り組み、世界で初めてフルスケールエンジン初号機(実際の船舶に搭載するエンジン、6UEC35LSGH)での全筒水素燃料混焼運転を開始した(ジャパンエンジン調べ)。現在までに、100%負荷で水素混焼率95%以上に到達しており、GHG削減と安定運転を確認している。今後も水素混焼運転における性能最適化のための検証試験を継続する。
ジャパンエンジンと川崎重工業株式会社は、同プロジェクトに、株式会社商船三井(以下「商船三井」)、商船三井ドライバルク株式会社(以下「商船三井ドライバルク」)、尾道造船株式会社(以下「尾道造船」)および一般財団法人日本海事協会(以下「日本海事協会」)の協力のもと取り組む。

近年、国内外において水素を燃料とする船舶の開発・実証が進んでいるが、これらの多くは圧縮水素を燃料とした観光船やタグボートなど、内航や港湾における比較的 短距離・短時間・低出力での運航形態の社会実装が検討されている。これに対し本プロジェクトは、高効率・高出力な低速2ストローク水素燃料エンジン6UEC35LSGHと液化水素燃料を組み合わせることで、長距離・長時間・高出力な運航を可能とする推進システムである点に大きな特長があり、水素を燃料とする大型商船の実用化に向けた重要な技術的ステップとなる。
ジャパンエンジンはこれまで、水素に係る材料・燃焼に関する基礎試験や、水素燃料噴射装置の耐久試験を重ね、本エンジンはこれらの知見を反映して開発された。今後はフルスケールエンジンとしての各種検証試験を実施したうえで、2027年1月に出荷し、尾道造船が実証船として設計・建造する1万7500重量トン型水素燃料多目的船(以下、「本船舶」)の主機関として搭載される予定。本エンジンへ水素燃料を供給するシステムであるMHFSは川崎重工が開発・製造を進めており、同じく本船舶に搭載される。
また、商船三井および尾道造船は本船舶の建造について合意し、一連の契約を締結した。さらに、関係各社での協議を通じて、水素燃料船とするための各種設備仕様についても合意し関連契約を締結している。現在、本船舶の詳細設計は順調に進捗しているとしている。本船舶は、2028年度から3年間にわたり、商船三井と商船三井ドライバルクの運航管理のもと、実証運航を行う。また、本エンジンやMHFSの開発、実証船の設計・建造・運航の各段階を通して、日本海事協会が安全性を評価する。

(註1) MHFS: Marine Hydrogen Fuel System(舶用水素燃料タンクおよび燃料供給システム)

