東京都が「水素を使う」を加速する官民連携プロジェクト「TOKYO H2」を始動

全国初、燃料電池(FC)タクシーを都内へ大量導入

 東京都は、全国初の燃料電池(FC)タクシーの都内への大量導入の開始に併せ、燃料電池商用モビリティをはじめとした「水素を使う」アクションを加速させる官民連携プロジェクト「TOKYO H2」を新たに始動した。東京都と水素エネルギーに関連する企業・組織が、水素の社会実装で世界をリードする東京を目指し、水素をテーマにした様々な取組を進める。また、水素の普及を街中で“見える化”すべく、「TOKYO H2」のロゴやデザインで統一された各種コミュニケーションを展開することで、社会全体での理解と関心を高める。

 東京都は、エネルギーの安定供給の確保や脱炭素化に向け、都内における水素エネルギーの需要拡大・早期社会実装化に取り組んでおり、走行距離が長い商用車両での水素活用は、運輸部門の脱炭素化と水素利用の拡大のために非常に重要だと判断した。

 プロジェクトの名称は「TOKYO H2」(トウキョウ エイチトゥ)で、燃料電池商用モビリティをはじめとした「水素を使う」アクションを官民連携で加速させることを目的とする。都は燃料電池商用モビリティの普及目標として、2035年度に約10,000台を掲げ、全国初の取組である燃料電池タクシーの大量導入をきっかけに、運輸物流分野も含めた、燃料電池商用モビリティの導入を促進するとともに、エネルギーの安定供給や脱炭素化の切り札である水素を様々な分野で積極的に利用する仲間を増やす取組を官民連携で進めるとしている。 

  プロジェクトの始動に併せて2025年9月3日(水)、小池百合子東京都知事挨拶(プロジェクト発表)や佐藤恒治 水素バリューチェーン推進協議会会長(トヨタ自動車㈱代表取締役社長)、川鍋一朗 東京ハイヤー・タクシー協会会長(日本交通㈱取締役)らが参加して、プロジェクト発表会を開催した。この中で小池都知事は「深刻化を増す気候危機への対応やエネルギーの安定確保など、重要な課題に直面している中、脱炭素の鍵を握るのが水素です。この度、水素を使うアクションを加速させる「TOKYO H2 プロジェクト」が始動します。東京都はこれまで、燃料電池バスの導入を始め、水素の普及に向けた先駆的な取組を進めており、今回、日本で初めて燃料電池タクシーを大量導入することとなりました。この取組を皮切りに、都民の皆様に水素のある社会を身近に感じていただきながら、「世界に誇る、水素社会・東京」、持続可能な都市の実現を目指してまいります」とコメントした。