川崎×脱炭素技術で新ブランド・新規事業創出を目指す官民学連携プロジェクト「KAWASAKI SOUL」が始動

第一弾は川崎のソウルフード“元祖ニュータンタンメン本舗”を脱炭素化、「水素|ノー炭(タン)炭(タン)メン本舗」を期間限定で販売

 三菱化工機は、自社の創業の地である川崎市および地元企業や大学生・高校生などと連携し、川崎市内において脱炭素化をはじめとした環境課題への意識と行動を習慣化すると共に、川崎市におけるブランド商材やサービスを脱炭素化することで既存事業の成長、さらに新規事業の創出につなげる取り組み「KAWASAKI SOUL|カワサキソウル」を2025年10月9日(木)よりスタートさせた。
 川崎市報道発表資料(2025/10/09):川崎のソウルフード「元祖ニュータンタンメン本舗」を脱炭素化!「水素|ノー炭炭メン本舗」が11月2日「みんなの川崎祭」で限定オープン

 その第一弾として、川崎市と、川崎のソウルフードとして長年親しまれている「元祖ニュータンタンメン本舗」、さらに川崎市内において高校生や大学生を中心に脱炭素活動を行っている「まるっとサステナCAMP」と協力し、調理機器に水素を活用することでCO2排出量を低減した「水素|ノー炭(タン)炭(タン)メン本舗」を開発、11月2日(日)に行われる「みんなの川崎祭」にて販売する。
 KAWASAKI SOULは三菱化工機が推進するMKKプロジェクト※1の一環として、持続可能な社会づくりを次世代に引き継ぐための活動として位置付けられる。

KAWASAKI SOUL発足の背景

 川崎市は「かわさきカーボンチャレンジ2050」を掲げ、脱炭素シティの実現を目指している。しかし、水素をはじめとした脱炭素技術が市民生活にどのように関与しているのかを示す具体事例は少なく、脱炭素化への市民の理解獲得が課題となっている。
 また、企業にとっては既存事業・技術の脱炭素化や新規事業創出に取り組むための研究・技術開発、市場開拓は人的リソースやコスト面などの負担が大きく、個社単独での取り組みには限界がある。
 このような課題解決に向け、三菱化工機が長年にわたって培った水素製造技術など、自社が有する環境・創エネルギー技術・ノウハウと共に、川崎市や川崎の地元企業、市民や学生などと共に脱炭素化の実例を生み出す機会と場を提供し、脱炭素化による具体的な商材やサービスの創出を目的とした実証実験とモデルケースの構築を通じて、川崎市内における脱炭素事業の展開や、新しいビジネスを創出する。
 また、この取り組みにより、市民が持つ「川崎」への誇りと愛着形成の共創を通じて、脱炭素社会に向けて市民を巻き込んだアクションを共に創っていくことを目指す。

第一弾 「水素|ノー炭(タン)炭(タン)メン本舗」は、大学生のアイデアを具現化

 「水素|ノー炭(タン)炭(タン)メン本舗」は、まるっとサステナCAMPの大学生の発案から始まり、川崎のソウルフードである元祖ニュータンタンメン本舗の商品を脱炭素化することで、川崎市の脱炭素化の取り組みを市民に身近に感じてもらうと共に、水素を使用した新しい食文化の在り方を提案できるのではないかという想いに、元祖ニュータンタンメン本舗や川崎市、三菱化工機が賛同し、実現に向け取り組みが開始された。
 本取り組みには、水素調理機器の開発に株式会社中西製作所および株式会社ヒートエナジーテックが、水素の貯蔵・運搬が可能な水素吸蔵合金配送システム※2の開発に那須電機鉄工株式会社および日本フイルコン株式会社が参画する。

 「水素|ノー炭(タン)炭(タン)メン本舗」は、2025年11月2日(日)に川崎市内で開催される「みんなの川崎祭」のフードエリア(会場:市役所広場)において、1日限りの一般販売を行う。また、子供向けに、市内保育園で提供している辛くない「こどもタンタンメン」も、この日限りの一般販売を行い、販売に合わせて、インターンによるワークショップの開催や、川崎市の脱炭素の取組PRなどを行う。
 水素で調理することによるCO2 排出量はゼロとなり、プロパンガス調理と比較して約2.5kg の排出量削減となる(三菱化工機と関連会社による実証実験結果をもとに算出。灯油を1リットル燃焼させた際に発生するCO2 排出量と同等)。

※1) MKKプロジェクト:三菱化工機が有している環境対応・創エネルギー技術と共創パートナーが有するアセットやノウハウを活用・融合させ、川崎発の社会課題解決ソリューションおよびビジネスモデルの創出を目指す取り組みのこと。詳細はプロジェクトWebサイト(https://www.kakoki.co.jp/mkkpj
※2) 水素吸蔵合金配送システム:那須電機鉄工、日本フイルコン、三菱化工機の3社共同で開発。水素を水素吸蔵合金タンク(MH タンク)に充填し、必要な場所へ運搬した後、燃料電池を活用して電力を供給・利用する一連のプロセス。災害時の緊急電源としての利用も可能であり、水素の貯蔵や運搬が容易であることから、災害時やイベント時など、小規模で設置場所や使用期間が固定されない環境での電力供給に優位性を持つ有効な手段。