空調機器や壁面モニターに組み込み可能な小型・表面実装対応のCO₂センサーを開発
CO2濃度による空調制御でゼロエネルギー建築の実現に貢献
旭化成エレクトロニクス株式会社の子会社センスエア社は、新型CO₂センサー「S12 CO2」を開発し、サンプル提供を開始した。同社の従来品より体積比で約25%に小型化し、SMDリフロー表面実装対応も実現、これまでの高精度・低消費電力の特長も維持した。これにより、従来は設置が難しかった箇所にもセンサーを組み込むことが可能となり、スマートビルディングや省エネルギー型空調制御システムのさらなる普及に貢献する。「S12 CO2」の量産開始は2026年内を予定。

近年、建物のエネルギー効率を高めるための法制度整備が世界各地で進む。特にEUにおいては、公共機関が所有する新築建物では2028年より、それ以外の新築建物(住宅を含む)でも2030年より、非常に高いエネルギー性能を持つZEB(Zero Emission Buildings)化が求められている※1。
※1 欧州委員会 エネルギー総局:Energy Performance of Buildings Directive (EPBD)
https://energy.ec.europa.eu/topics/energy-efficiency/energy-performance-buildings/nearly-zero-energy-and-zero-emission-buildings_en
空調分野では、人の不在時にも稼働してしまう従来の温度制御換気に代わり、CO₂濃度に応じて換気量を自動調整する需要制御換気(DCV:Demand Controlled Ventilation)が注目されている。DCVは、省エネルギーと快適な室内空気質(IAQ:Indoor Air Quality)の両立を可能にする一方、スマートビルディングなどで多数設置する際には、デザインや設置スペースの制約が課題となっていた。
新開発の「S12 CO2」は、センスエア社が長年培ってきたNDIR(非分散型赤外線吸収)※2方式のセンサー技術をベースに構造を刷新し、既存のSunriseおよびSunlight CO₂で確立した高精度および低消費電力性能を維持したまま、モジュール全体の高さを大幅に低減し、基板への表面実装を可能した。これにより、空調機器や壁面モニターなど、これまで設置が難しかった場所にも容易に組み込むことができる。居住空間で目につく機器では、デザイン性を損なわずに空間と調和した設置が可能となるほか、全熱交換器や空調コントローラーなどの機器内蔵用途でも、限られたスペースを有効に活用できる。また、配線工事が困難なケースが多い中古建築においても、低消費電力の特徴を活かし、設置自由度が高く、後付けが容易な電池駆動型ワイヤレスCO2モニタリングを可能とする。
「S12 CO2」はCO₂濃度制御の普及が見込まれる欧州、北米、アジア、を中心に、オフィスビルディングや商業施設などにおけるエネルギーマネジメントシステム(BEMS:Building Energy Management System)でのIAQモニタリング用途に展開する。さらに家庭用空調機器や全熱交換器など、住宅分野への応用を含め、さまざまな空間での快適かつ持続可能な環境づくりに貢献する。
※2 NDIR … Non-dispersive Infrared (非分散赤外線)。NDIR方式はガスの濃度を測定する方法の一つ。ガス分子が特定の波長の赤外線を吸収する性質を利用し、光源からの赤外線を分散させずにガスに照射し、その波長がどれだけ吸収されたかを測定することで、当該ガスの濃度を算出する。

