大丸エナウィン 2025年3月期の中間配当金を増配

中間配当金予想を1円増配の13円、年間配当金は26円へ修正

 大丸エナウィンは、2025年3月期の第2四半期末配当金(中間配当金)予想を前回予想から1株当たり1円増配の13円に上方修正した。これにより、年間配当金予想は前期比で1円増配となり、1株当たり 26円(中間 13 円、期末 13 円)となる。

日機装 2024年12月期第2四半期連結決算

米国子会社 Clean Energy & Industrial Gas グループ、想定より生産・出荷が進捗

 日機装の2024年12月期第2四半期連結決算(IFRS)は、売上収益1026億7600万円(前年同期比17.7%増)、営業利益27億3600万円(前年同期は2600万円の利益)、親会社株主に帰属する中間利益59億5200万円(同53.7%増)だった。

 航空宇宙事業およびメディカル事業は概ね想定通りに推移、インダストリアル事業については主力の米国子会社 Clean Energy & Industrial Gas グループ(CE&IG グループ)が当初想定より生産・出荷が進捗した。この結果、全体の営業利益は約 27 億円となり直近の業績予想6億円を大きく上回った。また、円安の進行に伴う為替差益の増加により税引前中間利益、親会社の所有者に帰属する中間利益も業績予想を大幅に上回った。

 通期の連結業績予想を修正し、営業利益は当第2四半期に計上した一過性の損失分相当として前回予想比20億円減となる70億円とした。一方、足元では為替相場の変動リスクが大きく見通しが立ちにくい環境にあるため、当期末時点の為替レートは、当第2四半期末時点の為替レートと同一となる前提で算定し、為替差益の増加影響により税引前利益107億円(前回予想比16億円増)、親会社の所有者に帰属する当期利益は88億円(前回予想から26憶円増)を見込む。年間配当金予想に変更はない。

 当上半期において当初計画を大きく上回ったCE&IG グループは、下半期に経費の増加を見込むものの、LNG・産業ガス関連事業の既受注案件の着実な遂行により、通期業績予想では当初計画並みの利益確保を見込む。

日機装技術研究所内に水素・アンモニアなど次世代エネルギー対応ポンプの新研究棟建設

 また、日機装は研究開発拠点である日機装技術研究所(東京都東村山市)内に、新研究棟を建設することを決定したと2024年8月14日付で発表した。総工費は約 124 億円で、2027 年5月に竣工予定。

新研究棟 外観イメージ

 新研究棟では、CAEを活用しながら、水素、アンモニアなどの次世代エネルギーに対応するポンプや、生産自動化、コンポジット(複合材料)等に関する研究開発を行う。大型のポンプやコンポジットの実験や試作が可能な大型実験試作エリアや高度な機器を備えた評価試験エリア、顧客の研究段階からの共創により製品開発を行うためのエリアを執務エリアに隣接して設置し、アイデアをすぐに形にする試作、検証が可能な環境を構築する。また、先に稼働中のメディカル技術センターと新研究棟を連結し、技術者が互いの知識を共有する場を設けるなど、技術者同士の交流を支援する環境を整備し、事業部間のコラボレーションを推進する。さらに、日機装が持つ技術を発信し、他企業や大学等の研究機関との連携を加速させる場を設け、人材の育成やイノベーティブな製品の創出、新しいビジネスモデルの創造に取り組む。

※CAE(Computer Aided Engineering)とは、トライ&エラーを繰り返していた従来の実験プロセスを、コンピュータ上でのシミュレーションに置き換える技術のこと。

 

日本コンセプト 2024年12月期第2四半期連結決算

日コン外航ガスタンクケミカルの売上高4億8100万円、4.1%増

 日本コンセプトの2024年12月期第2四半期連結決算は、売上高86億8900万円(前年同期比3.7%減)、営業利益14億7000万円(同25.0%減)、経常利益15億0700万円(同28.2%減)、親会社株主に帰属する純利益10億3400万円(同29.1%減)だった。通期連結業績予想と年間配当金予想に変更はない。

 新規ビジネスである高圧ガスビジネスは、主にフロンガスを中心とした高圧ガス事業専門の子会社である日コン外航ガスタンクケミカル株式会社(2023年6月設立)における当中間連結会計期間の売上高が4億8100万円となり、前中間連結会計期間における高圧ガス事業の売上高4億6200万円を上回った。

 

東邦アセチレン 2025年3月期第1四半期連結決算

窒素、アルゴン、石油類の出荷数量減少、酸素は工業用向けに出荷好調

 東邦アセチレンの2025年3月期第1四半期連結決算は、売上高83億1600万円(前年同期比0.1%増)、営業利益5億1700万円(同23.2%増)、経常利益6億1900万円(同26.4%増)、親会社株主に帰属する純利益3億3500万円(同43.9%増)となった。通期業績予想と年間配当金予想に変更はない。

セグメント別業績

ガス関連事業

 売上高は、48億5900万円と前年同四半期に比べ4300万円(0.9%)増加、営業利益は4億6700万円と前年同四半期に比べ2200万円(5.0%)増加。
 ガス関連事業の状況は、窒素は発電所向け、アルゴンは自動車関連向け、石油類は工業用向けの出荷数量は減少したが、酸素は工業用向けに出荷が好調であったこと及び液化石油ガスは輸入価格の変動に伴い販売価格が上昇したことから、売上高は増加した。
 利益面は、給料、減価償却費等の販売費及び一般管理費が増加したが、売上高増加に加え、電気料金における燃料調整費の下落に伴い製造コストが減少したことにより営業利益は増加した。

エスプーマ関連事業

 売上高は、4億5700万円と前年同四半期に比べ1500万円(3.3%)減少したが、営業利益は1億4200万円と前年同四半期に比べ1500万円(12.2%)増加した。
 エスプーマ関連事業の状況は、食品用ガスは大口取引先向けの出荷数量が減少したことにより売上高は減少。営業利益は、食品用ガス容器の購入等が当期は無かったことにより増加した。

器具器材関連事業

 売上高は、23億3100万円と前年同四半期に比べ2億0100万円(8.0%)減少、営業利益は8000万円と前年同四半期に比べ3100万円(28.0%)減少。
 器具器材関連事業の状況は、溶接材料は自動車関連向け、溶接切断器具は大型工作機械の需要が減少したことにより売上高及び営業利益は減少した。

自動車機器関連事業

 売上高は、2億2500万円と前年同四半期に比べ9400万円(72.4%)増加、営業損益は前年同四半期に比べ1000万円増加したが、0百万円の営業損失(前年同四半期は1100万円の営業損失)。
 自動車機器関連事業の状況は、自動車部品メーカーの国内外の設備投資需要が増加したことにより売上高及び営業損益は増加した。

製氷機関連事業

 売上高は、3億7100万円と前年同四半期に比べ7500万円(25.6%)増加、営業利益は1億0400万円と前年同四半期に比べ8000万円(332.3%)増加した。
 製氷機関連事業の状況は、製氷・冷凍機械の大型物件の作業が進捗したことにより売上高は増加。営業利益は、製造コストの低減を図ったことにより増加した。

その他

 売上高は、7000万円と前年同四半期に比べ1300万円(24.6%)増加、営業利益は1400万円と前年同四半期に比べ300万円(37.4%)増加した。
 その他の状況は、医療用ガス配管工事が増加したことにより、売上高及び営業利益は増加した。

住友精化 2025年3月期第1四半期連結決算

機能マテリアルセグメントの売上高84億4200万円(2.5%増)、営業利益7億9800万円(1598.2%増)

 住友精化の2025年3月期第1四半期連結決算は、売上高368億9600万円(前年同期比8.2%増)、営業利益29億1100万円(同163.6%増)、経常利益35億5300万円(同179.5%増)、親会社株主に帰属する純利益25億2100万円(同246.8%増)だった。通期業績予想と年間配当金予想に変更はない。

 エレクトロニクスガスを含む機能マテリアルセグメントの業績は、売上高84億4200万円(前年同期比2.5%増)、営業利益は7億9800万円(同1598.2%増)。これは原燃料価格の低下や為替の影響などによる。

星医療酸器 2025年3月期第1四半期連結決算

医療用ガス関連事業の売上高9億4200万円(4.0%増)、セグメント利益8800万円(24.0%減)

 星医療酸器の2025年3月期第1四半期連結決算は、売上高35億9400万円(前年同期比7.7%増)、営業利益3億0500万円(同22.7%減)、経常利益3億1900万円(同21.7%減)、親会社株主に帰属する純利益2億1200万円(同23.0%減)だった。通期業績予想と年間配当金予想に変更はない。

セグメント別概況

医療用ガス関連事業

 新規取引先拡販が順調に推移し、医療用酸素・医療用二酸化炭素の出荷量は堅調に推移した。エネルギーコスト上昇等に伴う材料・仕入価格上昇に、市況を見ながらコスト上昇分を鑑みた適正価格への変更に注力した。また円滑な組織体制づくりや物流・運送業界における2024年問題に対応すべく人的資源の拡充にも努めた。
 売上高は9億4200万円(前期比4.0%増)、セグメント利益は8800万円(前期比24.0%減)。

在宅医療関連事業

 アフターコロナの影響も受けることなく「HOT(在宅酸素療法)」、「CPAP(持続陽圧呼吸療法)」共に好調に推移した。利益面では世界的な原材料価格の上昇やエネルギー、輸送費の高騰が続いているが、自助努力による合理化に努めた。
 売上高は16億3800万円(前期比6.9%増)、セグメント利益は1億3200万円(前期比27.6%減)。

医療用ガス設備工事関連事業

 保守点検及びそれに伴う修繕業務は安定した売上を確保した。設備工事は当期に大型物件が複数完工したことにより売上を確保した。
 売上高は3億7300万円(前期比43.9%増)、セグメント利益は5200万円(前期比14.5%増)。

介護福祉関連事業

 介護福祉関連機器のレンタル及び販売部門において、地域包括支援センターや居宅介護支援事業所及び病院・施設への継続的な営業活動を図ることによりレンタル売上及び販売は順調に推移した。また訪問看護事業所は、都内3拠点を事業基盤として地域へのPR活動強化による認知度アップとスタッフの増員など運営体制の充実を図り順調に推移した。
 売上高は2億9500万円(前期比1.7%増)、セグメント損失は0百万円(前期セグメント利益は1000万円)。

施設介護関連事業

 売上高は8700万円(前期比0.9%増)、セグメント損失は0百万円(前期セグメント利益は3百万円)。

新コスモス電機 2025年3月期第1四半期連結決算

四半期純利益8億円、前年同期比137.1%増

 新コスモス電機の2025年3月期第1四半期連結決算は、売上高94億4600万円(前年同期比14.4%増)、営業利益13億1700万円(同80.4%増)、経常利益15億8100万円(同54.6%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益8億円(同137.1%増)となった。通期業績予想と年間配当金予想に変更はない。

 商品別概況は次のとおり。

家庭用ガス警報器関連

 国内市場向け都市ガス用警報器および海外市場向け警報器用ガスセンサの販売が好調に推移した。売上高は50億9900万円(前年同期比16.0%増)。

工業用定置式ガス検知警報器関連

 国内市場・海外市場ともにエレクトロニクス業界向けガス検知警報器の販売が好調に推移した。また、メンテナンスサービスも堅調に推移。売上高は25億3700万円 (前年同期比15.7%増)。

業務用携帯型ガス検知器関連

 都市ガス業界向けを中心としたガス検知器の販売が好調に推移した。 また、メンテナンスサービスも堅調に推移。売上高は13億9900万円 (前年同期比3.3%増)。

岩谷産業 2025年3月期第1四半期連結決算

産業ガス・機械事業の売上高603億7100万円(2.9%減)、営業利益32億8600万円(32.9%減)

 岩谷産業の2025年3月期第1四半期連結決算は、売上高1975億1900万円(前年同期比2.2%減)、営業利益84億1900万円(同1.1%減)、経常利益150億3800万円(同41.7%増)、親会社株主に帰属する純利益116億0100万円(同61.7%増)となった。LPガスの輸入価格が前年同期を上回り、販売価格が上昇したものの、ステンレスや二次電池材料の販売低迷や、主にアジアでのヘリウム市況軟化により、売上高は減収となった。利益面では、産業ガス・機械事業、マテリアル事業において工業分野向け商品が低調に推移し、営業利益は減益となったが、コスモエネルギーホールディングスの持分法投資利益が営業外損益として計上されたことなどから、経常利益、四半期純利益は過去最高益を更新した。通期業績予想と年間配当金予想に変更はない。

当期の経営成績の概況

 水素エネルギー社会の実現に向け、トラックターミナル内の水素ステーションとしては国内初となる岩谷コスモ水素ステーション平和島を開所した。また、東京都内に新たに商用車向け水素ステーションの建設に着手するなど、水素需要の拡大に取り組んだ。
 総合エネルギー事業では、LPガスの輸入基地である根岸液化ガスターミナル内に建設したシリンダー充填所の稼働を開始。同敷地内にて輸入と充填・配送を実施することで物流の効率化を図り、関東・首都圏エリアでの供給体制と収益力の強化を図る。
 産業ガス・機械事業では、ヘリウムガスや半導体材料ガス、エアセパレートガスなど製造能力を拡充したガスセンターを新たにシンガポールに開設し、東南アジアでの事業拡大を推進する。
 マテリアル事業では、国内発電所向けにバイオマス燃料の販売強化を図った。

 セグメント別の状況は次のとおり。

【総合エネルギー事業】

 売上高は825億6700万円(前年同期比56億0600万円の増収)、営業利益は32億6700万円(同16億6600万円の増益)。

 LPガスの輸入価格が前年同期を上回り、販売価格が上昇したことに加え、工業用LPガスの販売数量が堅調に推移し、増収。利益面においては、LPガスの収益性が小売部門では低下した一方、卸売部門では改善し、また市況要因がプラス(前年同期比16億5800万円の増益)となり、増益となった。

【産業ガス・機械事業】

 売上高は603億7100万円(前年同期比18億1100万円の減収)、営業利益は32億8600万円(同16億1300万円の減益)。

 エアセパレートガスについては、電子部品業界向けを中心に販売が堅調に推移した。水素事業は、宇宙開発向けに液化水素の販売数量が増加。一方で、特殊ガスについては、主にアジアでヘリウムの市況が軟化し、収益性が低下した。また、機械設備については、自動車関連向け設備やガス供給設備の販売が減少した。

【マテリアル事業】

 売上高は473億1600万円(前年同期比80億0400万円の減収)、営業利益は25億2900万円(同2億4000万円の減益)。

 エアコン向けを中心とする樹脂製品の売上が増加したことに加え、海外ミネラルサンド事業は自社鉱区での生産・販売が堅調に推移した。一方で、ステンレスや次世代自動車向け二次電池材料は、市況価格の下落や販売先での在庫調整の影響等により販売が低迷した。

【その他】

 売上高は72億6300万円(前年同期比1億8000万円の減収)、営業利益は7億8800万円(同1億7700万円の増益)。

高圧ガス工業 2025年3月期第1四半期連結決算

ガス事業の売上高172億9600万円(7.0%増)、営業利益15億5300万円(16.8%増)

 高圧ガス工業の2025年3月期第1四半期連結決算は、売上高236億6500万円(前年同期比6.3%増)、営業利益15億2900万円(同15.3%増)、経常利益20億5200万円(同17.8%増)、親会社株主に帰属する純利益13億8800万円(同12.8%増)だった。通期業績予想と年間配当金予想に変更はない。

 セグメント別の経営成績は次のとおり。

ガス事業

 売上高は172億9600万円(前年同期比7.0%増)、営業利益は15億5300万円(同16.8%増)。

 鉄鋼、自動車、建設など仕向け先において、需要回復が鈍く、厳しい状況で推移した。シリンダーガスビジネスの持続的な成長や収益の改善を目指し、地域に密着した営業に努めた。
 『溶解アセチレン』は、浸炭向けに一部需要が増加したものの、建設及び造船業界向けに需要が減少したが、価格改定により、売上高は前年同期を上回った。
 『その他工業ガス等』は、LNGが新規獲得により増加した。窒素、アルゴンが充填所及び大手ユーザー向けに需要が減少、炭酸が製造メーカーの原料出荷制限、LPガス等は需要の減少により、それぞれ減少したが、価格改定及びLPガス等の輸入価格の上昇により、売上高は前年同期を上回った。
 『溶接溶断関連機器』は、設備工事や工作機械等の受注が一部回復し、売上高は前年同期を上回った。
 『容器』は、水素用長尺容器の新規獲得や消火設備装置向け容器の需要が増加し、売上高は前年同期を上回った。

化成品事業

 売上高は54億4300万円(前年同期比7.3%増)、営業利益は3億3100万円(同37.1%増)。

 円安影響やナフサ価格の上昇による原材料価格の高騰が続く厳しい状況で推移した。仕向け先への製品の安定供給に努め、また、新しい技術開発により、環境配慮型水性接着剤や高耐候性塗料など環境にやさしい製品や付加価値の高い製品づくりに努めた。
 『接着剤』は、ペガールは塗料用・木工用が減少したが、土木用の新規案件の獲得や建材用・紙用の需要回復により増加。シアノンは南米向けが減少したが、韓国・フィリピン向けの需要回復とタイ向けの新規案件の獲得により増加した。ペガロックは中国経済低迷の影響を受け減少。売上高は接着剤全般の原材料価格の高騰に伴なう価格改定もあり、前年同期を上回った。
 『塗料』は、建築用塗料の戸建塗替え需要の低迷が続いているが、「ウォールバリアシリーズ」「ビーズコートシリーズ」等の高機能製品が伸長し、エアゾール製品は防水スプレーが伸長により、売上高は前年同期を上回った。

その他事業

 売上高は9億2400万円(前年同期比8.9%減)、営業損失は2200万円(前年同期は500万円の営業損失)。

 LSIカード関連及び食品添加物の需要が減少し、前年同期を下回った。

エア・ウォーター 2025年3月期第1四半期連結決算(IFRS)

産業ガスの価格マネジメントや事業構造改革、海外産業ガス、アグリの各分野で順調に推移し、全セグメントで増益

 エア・ウォーターの2025年3月期第1四半期連結決算(IFRS)は、売上収益2459億4300万円(前年同期比6.9%増)、営業利益139億3900万円(同23.8%増)、親会社の所有者に帰属する純利益93億6300万円(同31.1%増)となった。売上収益は第1四半期として過去最高を更新した。

 エア・ウォーターグループでは、ユニット制を基軸としたグループ一体経営によって、国内既存事業の収益力を強化し、今後の成長領域である海外事業の基盤構築と、社会課題解決に向けたカーボンニュートラルやアグリ関連の取り組みを進めた。

 当期間の業績は、これまで実施してきた各種産業ガスの価格マネジメントや事業構造改革が進展したことに加え、成長領域と位置付ける海外での産業ガス、アグリの各分野での取り組みなどが順調に推移し、全てのセグメントで増益となった。通期業績予想と年間配当金予想に変更はない。

連結セグメント別業績

デジタル&インダストリー

 セグメント売上収益は785億2400万円(前年同期比3.9%減)、営業利益は60億4400万円(同14.0%増)。

 国内で半導体・デジタル産業における生産拠点の増強が進む中、新規取引先の開拓や大型プラントの設備投資を実行しガス需要の獲得を図るとともに、特殊ケミカルの供給やガス精製装置の販売といったエレクトロニクス関連事業の拡大に取り組んだ。また、産業ガスの需要が全般的に弱含みで推移する中、前年度から継続して各種ガスの価格改定や製造・供給体制のさらなる効率化を推進した。

 売上収益は、鉄鋼向けオンサイトガス供給の販売単価が下落したことに加え、機能材料事業における基礎化学品の販売が低調に推移したことにより、産業ガスの価格改定による増収分を打ち消し、前年同期を下回った。営業利益は、大手半導体工場向けのガス供給が堅調に推移したことに加え、前年度から実施してきた産業ガスの価格マネジメントの効果が発現し、前年同期を上回った。

エネルギーソリューション

 セグメント売上収益は147億4100万円(前年同期比6.7%増)、営業利益は8億7900万円(同32.1%増)。

 低・脱炭素需要が高まる中、顧客に対して重油からLNGへの燃料転換を積極的に進めたほか、牛ふん尿由来の液化バイオメタンなど、地域の未利用資源を活用したカーボンニュートラルに寄与するエネルギー供給を開始した。また、北海道を中心とした家庭向けLPガス供給は、IoT技術を活用した配送の効率化や販売店の商権を取得し顧客獲得に努めるなど、収益力の強化に取り組んだ。

 売上収益は、LPガスが輸入価格に連動し、顧客への販売価格が上昇したことで、前年同期を上回った。また、LNGの販売数量増も寄与した。営業利益は、前年同期に計上したLPガスの在庫評価影響がなくなり、増益となった。

ヘルス&セーフティー

 セグメント売上収益は563億8900万円(前年同期比8.2%増)、営業利益は24億6600万円(同2.7%増)。

 医療用ガスの供給基盤を通じて医療現場のニーズを汲み取り、医療機器の開発、手術室などの病院設備の高度化提案、病院業務のアウトソーシング受託などに注力した。また、日常のヘルスケアにかかわる在宅医療、デンタル、衛生材料、注射針、エアゾール・化粧品といった、生活者により近い事業の体制強化を進めた。さらに、防災分野では、データセンター向け工事案件の獲得に努めた。

 売上収益は、防災分野で、海外と連携したデータセンター向け非常用発電機の工事が進捗したほか、一酸化窒素吸入療法の症例数や介護用シャワー入浴装置の販売が増加したことで、前年同期を上回った。また、注射針およびエアゾールや化粧品などの受託製造は前年同期並みで推移。営業利益は、医療機器や衛生材料など輸入品を中心に原材料価格上昇の影響を受けたが、医療用ガスを中心とした価格改定の効果が発現し前年同期を上回った。

アグリ&フーズ

 セグメント売上収益は425億8900万円(前年同期比11.2%増)、営業利益は17億3100万円(同27.8%増)。

 持続可能な農業と食料安定供給システムの実現を見据え、アグリ分野において同業4社での協業体制を構築し、原料調達機能や青果流通・加工におけるプラットフォームの強化を進めた。また、スマート農業技術の向上や物流・加工機能を活かした新たなビジネスモデルを確立するとともに、ライフスタイルの変化や多様な食のニーズに対応した市販用食品の販売に注力した。

 フーズ分野において、食肉などの原材料価格が上昇した影響を受けたものの、冷凍ブロッコリーなどの販売が堅調に推移。また、野菜・果実系飲料の受託製造が好調に推移したことに加え、アグリ分野において九州で青果仲卸事業を展開する丸進青果㈱を前連結会計年度に新規連結したことで、売上収益・営業利益ともに前年同期を上回った。

その他の事業

 セグメント売上収益は536億9700万円(前年同期比21.9%増)、営業利益は20億6900万円(同153.7%増)。

 物流事業は、一般貨物輸送及び食品物流が堅調に推移したことに加え、受託料金適正化の取り組みを進めたことで、順調に推移。

 ㈱日本海水は、業務用塩の販売量が回復したことに加え、2023年8月に営業運転を開始した苅田バイオマス発電所の稼働が売上収益に貢献し、堅調に推移した。

 電力事業は、小名浜バイオマス発電所が安定稼働を継続し、前年同期並み。

 グローバル&エンジニアリング事業におけるインドでの産業ガス分野は、鉄鋼向けオンサイトガス供給とタンクローリー・シリンダーによるガス供給ともに堅調に推移した。北米での産業ガス分野は、前連結会計年度に新規連結したガスディストリビューター2社が収益貢献した。また、高出力UPS(無停電電源装置)分野は、データセンター市場の成長に伴い、堅調に推移。

 これらの結果、その他の事業は売上収益・営業利益とも前年同期を上回った。

レゾナックHD 2024年12月期第2四半期連結決算

産業ガスを含む化学品の売上高は前年同期並み、一部製品の原料高により減益

 レゾナック・ホールディングスの2024年12月期第2四半期連結決算は、売上高6685億4700万円(前年同期比8.5%増)、営業利益279億7400万円(前年同期は131億6500万円の損失)、経常利益304億8500万円(同113億5700万円の損失)、親会社株主に帰属する純利益384億4500万円(同198億1700万円の損失)となった。

 売上高は、半導体・電子材料セグメントにおいて、半導体材料や HDメディアの需要が好調に推移した一方、ケミカルセグメントにおいて、黒鉛電極の数量が減少し、直近の業績予想を下回った。営業利益は、半導体・電子材料セグメントの増収を背景に、大幅に予想を上回った。経常利益は、営業利益の増益に加え、営業外損益の改善を背景に、大幅に予想を上回った。親会社株主に帰属する中間純利益は、経常利益の増益に加え、特別損益の改善を背景に、大幅に予想を上回った。

 通期の連結業績は、上期の業況を受けて、また、半導体・電子材料セグメントにおける需要が引き続き好調に推移することで増収増益を見込むことを背景に、売上高、営業利益、経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益の予想をそれぞれ、上方修正した。これにより、2024年12月期の通期連結業績予想は、売上高1兆3920億円(前年同期比8.0%増)、営業利益610億円(前年同期は37億6400万円の損失)、経常利益510億円(同147億7300万円の損失)、親会社株主に帰属する純利益345億円(同189億5500万円の損失)とした。年間配当金予想に変更はない。

関連するセグメント別概況

【半導体・電子材料セグメント】

 半導体材料は前年同期からの半導体市況の緩やかな回復により増収。デバイスソリューションは、HDメディアがデータセンター向け需要の回復により大幅な増収、SiCエピタキシャルウェハーも販売数量の増加で増収となった。セグメント売上高は2096億0200万円(前年同期比36.6%増)、営業利益は216億円(前年同期は130億9800万円の損失)。

【ケミカルセグメント】

 石油化学は、誘導品の定修の影響で販売数量が減少したものの、ナフサ価格上昇に伴って販売単価が上昇したことにより増収増益。産業ガスを含む化学品は、売上高は前年同期並み、一部製品の原料高により減益となった。黒鉛電極は、市況低迷の影響を受けた販売数量の減少及び販売単価の下落により減収減益。セグメント売上高は、2454億0700万円(前年同期比3.7%減)、営業利益は20億4100万円(同57.2%減)。

小池酸素工業 2025年3月期第1四半期連結決算

高圧ガスセグメント、売上高48億4500万円(1.6%増)、セグメント利益3億9200万円(3.7%増)

 小池酸素工業の2025年3月期第1四半期連結決算は、売上高117億1200万円(前年同期比4.6%増)、営業利益9億2300万円(同35.6%増)、経常利益12億5100万円(同35.9%増)、親会社株主に帰属する純利益7億6800万円(同30.1%増)だった。通期業績予想と年間配当金予想に変更はない。

 グループの主需要先である産業機械業界の市況は低調に推移し、建設業界では鉄骨、橋梁需要が減少したが、造船業界では手持ち工事量に増加がみられるなど堅調に推移した。

セグメント別業績

機械装置

 新規顧客への営業活動を強化したことにより受注が増加し、オンリーワン技術のDBC(Dual Beam Control)ファイバーレーザー切断機が引き続き好調に推移した。海外市場においては、韓国・中国にて造船業界の設備投資に回復傾向がみられたことにより、売上高は増加。
 売上高は47億4200万円(前年同期比13.7%増)、セグメント利益は6億0100万円(同16.4%増)。

高圧ガス

 産業ガス分野においては、市場環境に停滞がみられるなか、2024年問題による物流コストの高騰等に伴う価格改定、深耕拡大および新規拡販活動に注力した。医療分野においては、CPAPレンタルや院内感染防止対策機器の営業活動を強化したことにより、売上高は増加。
 売上高は48億4500万円(前年同期比1.6%増)、セグメント利益は3億9200万円(同3.7%増)。

溶接機材

 労働環境改善や省力化、効率化の提案を行うことで付加価値の高い営業活動を進め、ロボット溶接システム、バリ取り装置、バランサー等設備案件を受注したことに加え、各地の展示会に積極的に参加し溶接機の拡販に努めた。
 売上高は20億2000万円(前年同期比2.5%減)、セグメント利益は2億1000万円(同9.1%増)。

その他

 海外向けの排ガス処理装置およびヘリウム回収精製装置等の受注が低迷したことにより、売上高は減少。
 売上高は1億0300万円(前年同期比44.6%減)、セグメント利益は3200万円(同26.3%減)。

理研計器 2025年3月期第1四半期連結決算

定置型ガス検知警報機器16.1%減、可搬型ガス検知警報機器は25.9%増

 理研計器の2025年3月期第1四半期連結決算は、売上高112億4300万円(前年同期比2.2%減)、営業利益26億7300万円(同12.6%減)、経常利益32億2600万円(同9.4%減)、親会社株主に帰属する純利益22億3900万円(同11.6%減)だった。通期業績予想と年間配当金予想に変更はない。

 主要顧客である国内の半導体業界の設備投資再開にはまだ時間を要すると予想され、先行きについては当面の間は不透明な状況が続くと見込む。

 機種別売上の状況は、定置型ガス検知警報機器が売上高64億7200万円(前年同期比16.1%減)、可搬型ガス検知警報機器の売上高は、44億1900万円(同25.9%増)。その他測定機器の売上高は、3億5100万円(同32.6%増)。

帝人 2025年3月期第1四半期連結決算(IFRS)

CPAP市場は拡大を継続、検査数増加

 帝人の2025年3月期第1四半期連結決算は、売上収益2553億4100万円(前年同期比11.5%増)、事業利益104億円(同115.7%増)、営業利益80億4100万円(同75.0%増)、親会社株主に帰属する純利益44億5100万円(同110.2%増)となった。今期よりIFRS任意適用を開始し、経常的な事業収益を示す業績管理指標として事業利益を設定した。事業利益は営業利益に持分法による投資損益を加算し、非経常的な要因により発生した損益を除いて算出する。

 直近の通期業績予想を変更し、売上収益1兆0100億円(前期比5.2%増、前回見通しから350億円増)、事業利益230億円(同4.8%増、同30億円増)、営業利益190億円(前回見通しから30億円増)とした。親会社の所有者に帰属する当期利益予想については、精査中で未定。

 在宅医療分野を含むヘルスケアセグメントの売上収益は354億円(前年同期比4億円の減収、前年同期比1.2%減)、事業利益36億円(同16億円の減益、同31.6%減)。在宅持続陽圧呼吸療法(CPAP)レンタル台数の増加は継続、およびオスタバロの販売量が増加も、医薬品薬価改定などの影響により減益となった。

 在宅医療分野では、CPAP市場は拡大を継続し、検査数も増加したが、在宅酸素療法(HOT)市場は横ばい。第2四半期以降も同様の見通しとした。

フクダ電子 2025年3月期第1四半期連結決算

在宅医療レンタル事業は伸長

 フクダ電子の2025年3月期第1四半期連結決算は、売上高303億4100万円(前年同期比4.0%増)、営業利益45億1500万円(同11.5%減)、経常利益46億4700万円(同11.1%減)、親会社株主に帰属する四半期純利益30億3100万円(同13.3%減)となった。通期業績予想と年間配当金予想に変更はない。

 在宅医療向けレンタル事業を含む治療装置部門の売上高は150億3800万円(前年同期比6.7%増)。

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