リケンNPR、東京都市大学、日清オイリオグループが連携
日清オイリオグループが、リケンNPR、東京都市大学と共同で行う「既販重量車の水素コンバージョン事業※の実現性調査」が、NEDOが公募する「2025年度 水素社会構築技術開発事業/地域水素利活用技術開発/水素製造・利活用ポテンシャル調査」に採択された。本調査の成果に基づき、2026年度以降も事業化に向けた取り組みを継続する。また、水素エンジン車両の普及を通じて、水素社会の実現およびカーボンニュートラル社会の構築に貢献する。

※既販重量車の水素コンバージョン事業:水素コンバージョン…既存のディーゼルエンジンを水素エンジンに改造して水素エネルギーで動くようにすること。水素コンバージョン事業…顧客から預かったディーゼルエンジン重量車を水素コンバージョンし、水素エンジン重量車として返却する事業
電動車や脱炭素燃料車の普及により、乗用車は2050年のカーボンニュートラル達成が見込まれる一方、環境対応重量車の普及には導入費用や寿命などの課題があるとされている。このため、既販ディーゼルエンジン重量車の水素エンジンコンバージョンを進めることでカーボンニュートラル実現と、サーキュラーエコノミーに貢献する。特に、バスの水素エンジンコンバージョンは、地域における水素利活用に向けた理解を醸成しながら、水素需要を創出することが期待できる。今回、リケンNPRが水素エンジンコンバージョンバスの実証試験の実施と事業化に向けた調査を提案。これらの取り組みを進めていくことで、水素社会実現を加速化させる。
リケンNPRと東京都市大学の共同研究により、既販バスの水素コンバージョン事業の実現に向けた情報を集めるとともに、日清オイリオの事業場をフィールドとした実証試験の準備を進める。
- 環境対応バスのニーズ調査:要求仕様、市場規模の見通し、様々な環境対応重量車(FCEV・BEV・合成燃料車など)のライフサイクルコストの見通しを調査する。
- エンジン改造による実現性調査:水素コンバージョンエンジンの性能予測と改造コスト・改造期間の検証を行う。
- 車両設計による実現性調査:ニーズ調査結果を基に水素エンジンコンバージョンバスを企画設計し、製作コスト・製作期間・ライフサイクルコストの検証から、他の環境対応重量車との比較・評価を行う。
- 実証試験計画の立案:日清オイリオ横浜磯子事業場の工場見学バスを対象とした実証試験に向けた計画を立案する。