国内初、水素で働く燃料電池航空機けん引車の試験運用を開始
東京都「空港などにおける燃料電池モビリティ早期実装化支援事業」採択事業
日本航空(以下「JAL」)、JALUX、JALエアテックは、国内で初めて水素を燃料とする航空機けん引車の試験運用を開始する。本取り組みは、東京都の「空港等におけるFC(燃料電池)モビリティ早期実装化支援事業」(*1)に採択され、2024年度からJAL・JALUX・JALエアテックと株式会社タジマモーターコーポレーション(以下「タジマモーター」)の4社共同で取り組みを推進してきた。

CO2を排出しない燃料電池などによって駆動する航空機地上支援車両(以下「FCGSE車両」)(*2)の開発・商用化の促進と、空港臨海エリアにおける水素需要の喚起を目的に、国内で初めてディーゼル型航空機けん引車をFCGSE車両に改造し、試験運用および導入効果の検証を行う。実施にあたっては、JALUXが事業実施者となり、次世代モビリティに関する豊富なノウハウや整備施設を有するタジマモーターが車両開発・改造、JALが試験運用を行い、JALエアテックが車両保守および水素充填を担当する。試験運用は2025年8月から12月までの期間で行い、その効果を検証する。
航空機けん引車は、飛行機が駐機場から滑走路へ向かう際に「プッシュバック」と呼ばれる作業で、飛行機を押し出して自走できる位置まで移動させる地上支援車両。今回の取り組みでは、27年間使用した航空機けん引車を水素燃料電池車両へ改造し、羽田空港で試験運用を通じて、水素供給に係る運用方法や車両性能に関する多角的な検証を行う。中型機から小型機を対象に使用し、1週間に1度、約20分(35MPa)で最大約10kgの水素を充填し、70㎞前後の走行が可能。
*1:東京都の報道発表:https://www.metro.tokyo.lg.jp/tosei/hodohappyo/press/2024/10/21/03.html
*2:FCGSE車両:燃料電池(FC)などによって駆動する航空機地上支援車両(Ground Support Equipment)のこと

試験運用開始にあたって、東京都の小池百合子知事は「燃料電池航空機けん引車は、全国で初めての導入であり、水素エネルギーを活用する先進的な取り組みです。日本の空の玄関口である羽田空港で脱炭素化を進めることは、東京から世界に向けた力強いメッセージになります。これを契機に、空港内モビリティの技術開発の更なる進展、持続可能な未来の実現に向けて、取り組みが一層加速していくことを期待します」とコメントした。