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食品

岡谷酸素が食品添加物アルゴンガスを利用した清酒の製造方法で特許取得

清酒の溶存酸素量を低減し清酒のヒネ香抑制

 岡谷酸素は、「食品添加物アルゴンガスを利用した清酒の溶存酸素量を低減する製造方法」について小野酒造店(長野県上伊那郡辰野町小野992-1)と共同出願し、特許を取得した。清酒の溶存酸素量を低減することで清酒のヒネ香抑制が期待できる。

 2022年1月7日の酒税法の改正に伴い、ワイン(果実酒及び甘味果実酒)への使用のみが認められていたアルゴンガスが、清酒にも使用することができるようになった。これを受けて、小野酒造店と岡谷酸素は共同検証を実施し、清酒の品質保持にアルゴンガスが有効であることを確認。清酒の製造⼯程で適切にアルゴンガスを利用することで、清酒の酸化による品質劣化を低減した。

 岡谷酸素では、食品添加物アルゴンガスの利用により品質の向上、⻑期品質保持が可能となり、清酒の輸出や食品ロスの低減に貢献するとしている。

特許の概要

  • 特許番号:第7632822号
  • 特許登録日:令和7年2月10日
  • 発明の名称:酒類の製造方法
  • 特許権者:株式会社小野酒造店・岡谷酸素株式会社
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統計

2024年4月~9月業種別 アルゴン(一般)販売実績(JIMGA統計)

鉄鋼業15%増、輸送用機械器具製造業37%減、電気機械器具製造業35%減、機械器具製造業13%減、金属製品製造業32%減、化学工業18%減、販売業者向けは58%増

 日本産業・医療ガス協会(JIMGA)が公表した2024年4月~9月の業種別のアルゴン(一般)販売は、鉄鋼業が2798万3千立方メートル(前年同期比15%増)、販売業者向けが3057万8千立方メートル(同58%増)で増加したが、それ以外の業種は前年同期を下回った。全業種の総計は9440万8千立方メートル(同3%減)で、内訳は液化アルゴン8641万4千立方メートル(同9%減)、パイプ圧送370万7千立方メートル(前年同期は0)、ボンベ詰428万7千立方メートル(同44%増)だった。

 業種別では、鉄鋼業(非鉄金属製造業を含む)が2798万3千立方メートル(前年同期比15%増。内訳は液化アルゴン2337万6千立方メートル同2%減、パイプ圧送370万7千立方メートルで前年同期は0、ボンベ詰90万0千立方メートル同110%増)、輸送用機械器具製造業が585万3千立方メートル(同37%減。内訳は液化アルゴン571万2千立方メートル同37%減、パイプ圧送0で前年同期も0、ボンベ詰14万1千立方メートル同5%増)、電気機械器具製造業が1294万6千立方メートル(同35%減。内訳は液化アルゴン1275万5千立方メートル同35%減、パイプ圧送0で前年同期も0、ボンベ詰19万1千立方メートル同8%増)、機械器具製造業(輸送用、電気機械器具製造業を除く)が266万1千立方メートル(同13%減。内訳は液化アルゴン246万8千立方メートル同14%減、パイプ圧送0で前年同期も0、ボンベ詰19万3千立方メートル同8%増)、金属製品製造業が501万8千立方メートル(同32%減。内訳は液化アルゴン482万9千立方メートル同33%減、パイプ圧送0で前年同期も0、ボンベ詰18万9千立方メートル同4%減)、化学工業が209万6千立方メートル(同18%減。内訳は液化アルゴン197万1千立方メートル同19%減、パイプ圧送0で前年同期も0、ボンベ詰12万5千立方メートル同5%増)、販売業者向けが3057万8千立方メートル(同58%増。内訳は液化アルゴン2869万4千立方メートル同57%増、パイプ圧送0で前年同期も0、ボンベ詰188万4千立方メートル同74%増)、その他が727万3千立方メートル(同39%減。内訳は液化アルゴン660万9千立方メートル同41%減、パイプ圧送0で前年同期も0、ボンベ詰66万4千立方メートル同0%減)となった。

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産業ガス

エア・ウォーター、産業・医療ガスを2025年1月1日出荷分から値上げ

対象製品はヘリウム、液化炭酸ガス・ドライアイス、アルゴン・エルナックス

 エア・ウォーターは2025年1月1日出荷分より、ヘリウム、液化炭酸ガス・ドライアイス、アルゴン・エルナックスの値上げを行う。値上げ幅はヘリウムが現行価格に対し10~20%以上、液化炭酸ガス・ドライアイス20~30%以上、アルゴン・エルナックス15%以上。エア・ウォーターでは、これまでも、産業・医療ガス製品の調達・製造・物流等に対する合理化を進めコストダウンに努めてきたが、外部環境の変動によるコストの上昇は企業努力で吸収できる範囲を超えており、改めて価格改定を行うとしている。

 ヘリウムの対象製品は、(産業用・医療用)ヘリウムガス関連製品[シリンダー、カードル、トレーラー、液体ヘリウム、混合ガス、特殊ガス]。エア・ウォーターグループは、ヘリウムガスの安定供給を目的として調達先の分散化(北米および中東)と設備増強を進め、エレクトロニクス、ヘルスケア、航空宇宙産業等へのサプライチェーン強靭化に取り組んでいる。2022年7月以降、世界的な需給逼迫とエネルギーコストの急激な上昇により、ヘリウムガスの価格改定を実施したが、新規調達先との契約価格の上昇、円安の進行、物価上昇等によって、調達・製造・物流コストが上昇し続けているとして価格改定を行う。

 液化炭酸ガス・ドライアイスの対象製品は、(産業用・医療用)液化炭酸ガスとドライアイス[ローリー、シリンダー、LGC、混合ガス等]。グループでは、主に化学コンビナート内の石油精製やアンモニア製造プロセス等で発生する二酸化炭素(炭酸ガス)を原料として液化炭酸ガス及びドライアイスを製造する。近年、カーボンニュートラルへの対応や世界的な需給変動により、こうした製造拠点の統廃合や稼働率の低下が進行し、原料調達が極めて不安定な状況が続いている。グループは製造拠点の新設を検討するだけでなく、既存拠点における原料炭酸ガスの増量対応、さらには海外からの調達を行っているが、これに伴う製造・調達・輸送コストが大幅に増加している。

 アルゴン・エルナックスの対象製品は、アルゴン、エルナックス[ローリー、シリンダー、LGC、混合ガス等]。グループは、主に鉄鋼メーカー向けに設置している大型の空気分離装置により、空気中に約1%しか存在しないアルゴン・エルナックスを効率的に製造している。近年、世界的な鉄鋼需要の減少、カーボンニュートラルへの対応、国内製鉄所の再編等によって、アルゴン・エルナックスの製造可能量も減少。製造面でのさらなる効率化や輸送面での中継拠点の新設等を進めているが、これに伴う製造・輸送コストが増加している。さらに、今後は海外からの輸入も予定しており、調達コストの増加が見込まれる。

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半導体

ギガフォトンが最新ArF液浸光源機種「GT80A」を出荷

半導体リソグラフィの最先端ノード量産で高い生産性をサポート

 半導体リソグラフィ用光源メーカーのギガフォトンは2024年3月27日、新型のArF液浸露光装置用光源「GT80A」を出荷したと発表した。

ArF液浸露光装置用光源「GT80A」

 最先端デバイス製造では、微細化と共に高い生産性が求められる。これらの最先端デバイスでは、ウエハに転写される露光パターン、特にEPEに対する要求が求められると同時に、高い生産性を両立する必要がある。

 その中で、光源に対して、EPEに直接的影響を及ぼすCD LER/LWR(Line Edge Roughness/Line Width Roughness)低減を実現することにより、量産現場でのイールド向上を実現すると共に、さらなる高生産性を提供することが求められている。

 ギガフォトンの新型ArF液浸光源「GT80A」は、新開発モジュールにより、発振周波数を12.5%向上させることに成功した。これにより、スペックルコントラストをGT65A比で36%低減し、LER/LWR(Line Edge Roughness/Line Width Roughness)をさらに低減する。プロセスイールドのさらなる改善を実現すると同時に、最先端ノード量産での高い生産性をサポートする。

 ギガフォトンの浦中克己 代表取締役社長兼CEOは「GT80Aは、最先端半導体の安定的で歩留まりのよい生産をゴールに、特に最先端のプロセスノードの生産性向上のため市場に投入されました。ギガフォトンは、半導体市場のリソグラフィにおける更なるイノベーションのため、今後も活動し続けます」とコメントしている。

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