大陽日酸は、 2018 年3月期を初年度とする4ヵ年の新中期経営計画『Ortus Stage 2』を策定した。
大陽日酸は、現在、グローバル競争力を高めて確固たる地位を確立するため、2015年3月期を初年度とする3ヵ年の中期経営計画『Ortus Stage 1』で基盤強化に取り組んでいる。2018年3月期を初年度とする4ヵ年の新中期経営計画『Ortus Stage 2』は『Ortus Stage 1』に続く、第二ステージの位置づけとなり、成長促進に取り組む。
※ Ortus とは、ラテン語で『誕生、始まり』を意味する。
【新中期経営計画の概要】
(1)数値目標
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2017 年 3 月期見込 |
2021 年 3 月期計画 |
売上収益 |
5,800 億円 |
8,000 億円 |
コア営業利益 |
540 億円 |
760 億円 |
コア営業利益率 |
9.3 % |
9.5 % |
海外売上収益比率 |
40.5 % |
45.0 % |
ROCE |
8.6 % |
9.0 % |
(2)基本方針
◆国内事業の拡大
・ガス事業に加え関連機器などの周辺事業の拡大
・国内事業の持続的成長(国内M&Aや販売チャネル変革)
◆保安・品質とコンプライアンスに関する取り組み強化
・国内外で保安・品質とコンプライアンスの取り組み強化
・事業拡大する海外での地域統括会社との連携の深化
◆R&D 戦略の推進
・オープンイノベーションによる技術開発の加速
・ポートフォリオ戦略に基づいた重点開発分野の絞込
・当社収益への拡大貢献
◆グローバル化の推進
・海外でのM&Aならびに設備投資
・新規事業エリアへの進出
◆コーポレート機能の強化
・人事戦略、情報戦略、財務戦略など、コーポレート分野の戦略遂行
・コーポレート機能強化による当社ならびにグループ各社を強力にサポート
(3)セグメント別方針
◆国内ガス事業
ガス及びガス周辺事業の拡大とグループシナジーの最大化を図り、国内 No.1の地位をより強固にする。
◆米国ガス事業
積極的な設備投資と M&A を推進し、事業エリアの拡大と、進出エリアでの事業の厚み構築、製品群の拡充を目指す。
◆アジア・オセアニアガス事業
進出地域でのシェア拡大、空白地域への進出を通じて事業を拡大するとともに地域統括会社によりガバナンスを強化する。
◆サーモス他事業
ブランド力を活かして世界各地域での事業拡大を目指す。
(4)新中期経営計画における投資計画
財務規律を維持しながら、4ヵ年合計で3,400億円の投資活動を計画し、国内外でのM&Aや大型設備投資などの戦略投資に総投資額の7割を配分する。
(5)保安・品質とコンプライアンスの取り組み
◆技術リスクマネジメントの確実な推進
・国内(当社、関係会社)のさらなる技術力、活力維持向上
・海外の技術力向上、保安体制強化
◆コンプライアンスの強化
・大陽日酸グループ全体のガバナンス強化
・事業リスクに応じたコンプライアンス対応
・内部統制システムの実効性ある運用推進
(6)組織と人事政策
◆組織体制の見直し
・重点戦略推進のための組織改編(2017年4月1日付)
◆人事政策
・グローバル化に対応した人財育成
・重点施策分野への人財投入
・働き方改革とダイバーシティ推進
(7)重点戦略
◆構造改革(Total TNSC:連携強化によるグループ力の最大化)
・販売部門の連携強化
・エンジニアリング部門の一元化
・生産と物流部門の一体運営
・シェアードサービスの推進
◆イノベーション
・開発のイノベーション(新製品開発、オープンイノベーションほか)
・エンジニアリングのイノベーション(空気分離装置競争力強化ほか)
・販売のイノベーション(サービス高度化ほか)
・生産・物流のイノベーション(全社エネルギー効率の向上とコストダウンほか)
◆グローバリゼーション
・ガバナンス強化(国際事業の機能強化、地域統括会社の機能強化)
・成長戦略(事業領域拡大、Total Electronics)
※Total Electronics:中国(上海)にグローバル戦略顧客管理機能を設置
◆M&A
・事業エリアの拡大と事業密度の向上
・新たな商材・技術・サプライチェーンの獲得
・メディカル事業の拡大
【今後の株主還元方針】
大陽日酸は、株主に対する利益還元を経営の重要課題の一つとして位置づけ、安定的な配当を維持しつつ、業績に連動した配当政策を進める。今後は新中期経営計画に掲げた戦略方針に基づき、業績の更なる向上に努め、当中期経営計画期間(2018年3月期~2021年3月期)において連結配当性向の引き上げを目指す。