エア・ウォーター、新生地域事業会社3社を発足

現行の8社を3社へ統合、地域と共生・共創する独立事業会社へ

 エア・ウォーターグループは、独自の経営戦略である地域事業構想を発展させるため、10月1日付で現行の地域事業会社8社を3社に統合し、地域と共生・共創する独立事業会社として発足する。北海道エア・ウォーター株式会社を「エア・ウォーター北海道株式会社」とし、関東エア・ウォーター株式会社を存続会社として、東北エア・ウォーター株式会社、甲信越エア・ウォーター株式会社、中部エア・ウォーター株式会社を統合して「エア・ウォーター東日本株式会社」へ、近畿エア・ウォーター株式会社を存続会社として、中・四国エア・ウォーター株式会社、九州エア・ウォーター株式会社を統合して「エア・ウォーター西日本株式会社」とする3社を新たにスタートする。

統合の概要

 エア・ウォーターグループは、1995年に地域事業会社構想をスタートさせ、地域に密着した事業展開を行うことで成長を遂げてきた。今後更に、この地域事業会社の強みを最大限に発揮し、国内における収益力の向上と持続的な成長を牽引する基盤とするため、現行の8社を3社に統合することで経営資源を集約すると共に組織体制を強化し、それぞれの地域を市場とするエア・ウォーターの中核会社とする。

 新生地域事業会社3社は、地域が抱える様々な課題を、グループのあらゆる経営資源を投入することにより解決し、地域から必要とされ、望まれる会社となり、それぞれ早期に売上高1,000億円を超える会社を目指す。

 3社の新社名は独立して事業を行う中核会社、エア・ウォーターそのものであることを示すため、社名の頭に「エア・ウォーター」を冠した社名とした。また、それぞれが安定した財務基盤を有することで、更なる成長に繋げるため、各社とも資本金を20億円に増強する。組織体制については、新生地域事業会社3社の本社管理部門の組織体制を統一し、エア・ウォーターと一体化した組織運営を行う。ガバナンスやメーカーとしての機能を強化すべく、監査室、コンプライアンスセンター、品質保証部、事業企画部、技術開発部等を設置し、独立事業会社としての組織体制を構築する。

新生地域事業会社3社の概要

<エア・ウォーター北海道株式会社>

  1. 本社:北海道札幌市中央区北3条西1丁目2番地
  2. 資本金:2,000百万円
  3. 代表者:代表取締役社長 北川 裕二(エア・ウォーター株式会社 常務執行役員)
  4. 売上高:81,335百万円(2019年度)
  5. 従業員数:1,493名(2020年3月末)
  6. 株主:エア・ウォーター株式会社 100%

<エア・ウォーター東日本株式会社>

  1. 本社:東京都港区虎ノ門3丁目18番19号
  2. 資本金:2,000百万円
  3. 代表者:代表取締役社長 永田 實(エア・ウォーター株式会社 専務執行役員)
  4. 売上高:63,995百万円(2019年度)
  5. 従業員数:733名(2020年3月末)
  6. 株主:エア・ウォーター株式会社 100%

<エア・ウォーター西日本株式会社>

  1. 本社:大阪市中央区南船場4丁目4番21号
  2. 資本金:2,000百万円
  3. 代表者:代表取締役社長 道志 年章(エア・ウォーター株式会社 常務執行役員)
  4. 売上高:52,807百万円(2019年度)
  5. 従業員数:714名(2020年3月末)
  6. 株主:エア・ウォーター株式会社 100%

エア・ウォーターと中部エア・ウォーター、三重県亀山市に液化ガス製造プラントを建設

 エア・ウォーターとグループ会社の中部エア・ウォーター株式会社(代表取締役社長:西村 浩和、以下 中部エア・ウォーター)は、東海・近畿東部地区における産業・医療用ガスの更なる安定供給を目的に、三重県亀山市に高効率小型液化酸素・窒素製造装置「VSU」を建設する。「VSU」プラントは2021 年7 月の稼働を予定し、設置にあわせて、同敷地内に中部エア・ウォーター/三重営業所を新設する。

 エア・ウォーターグループでは、「需要地の近郊に小型プラントを設置し、大型プラントに匹敵する低コストで液化ガスを供給する」という製造拠点戦略により、国内産業ガス市場の深耕を図っている。

 東海・近畿東部地区に おいては、2007 年に愛知県海部郡に「VSU」4 号機(東海液酸)、2009 年に静岡県富士市に「VSU」8 号機(静岡液酸)をそれぞれ建設し、供給体制の強化を図ってきた。一方で、当地区は自動車を中心に半導体・電子部品・機械などの産業が集積しており、産業ガスの需要は今後も堅調に増加することが見込まれている。

 このような状況の中、今後の事業拡大と更なる安定供給を見据え、東海・近畿の中間地区における液化ガス製造拠点の空白地区であった三重県亀山市に「VSU」を建設することを決定した。現在、東海地区に対しては、大阪湾岸部の大型拠点から一部の液化ガスを長距離輸送しているが、今回の「VSU」の稼働により、既存拠点と合わせて三重県および愛知県を中心とした東海地区の需要に対応することが可能となることから、輸送距離の短縮による物流コストの低減とCO2排出量の削減が実現する。

 また、大規模災害時においては、近畿地区や北陸地区などの近隣地区への産業・医療ガスの配送拠点として、産業やくらしのライフラインとしての役割を担うことで、より強固な供給ネットワークを構築する。

設備概要

  • 名称 :亀山液酸㈱(VSU21 号機)
  • 所在地 :三重県亀山市白木町 (亀山・関テクノヒルズ内)
  • 製造能力 :液化酸素1,000 N ㎥/h、液化窒素2,660 N ㎥/h
  • 運転開始 :2021 年7 月(予定)
「VSU」の完成イメージ

東海地区におけるエアセパレートガス充填工場の建設について

 エア・ウォーターグループ会社の中部エア・ウォーター(本社 愛知県名古屋市、代表取締役社長 上村 浩)は、産業・医療用シリンダーガスビジネスの強化を目的に、名古屋市緑区の同社敷地内に、エアセパレートガス 充填工場の建設を決定し、着工した。

 エア・ウォーターグループでは、北海道から九州まで8つの地域事業会社を主体に、全国を網羅する営業拠点と生産ネ ットワークを活用し、積極的な事業展開を進めている。なかでも産業ガス・医療用ガス関連においては、 建設、溶接、金属加工などのものづくりのほか、食品、病院など幅広い業種に向けて供給を行うシリンダー ガスビジネスを事業の中核に据え、地域に密着した営業活動を展開している。
 今回、東海・北陸地域を事業エリアとする中部エア・ウォーターは、産業・医療用シリンダーガスのさらなる事業展開を見据えて充填工場を新設する。新充填工場の充填能力は、既存工場の約2 倍と なり、業界においては東海地区で最大の規模となる見込み。最新鋭の充填設備を導入することで、充填 ロスの削減を図るとともに、容器移動にはパレット方式を採用し作業の効率化を進めるほか、災害時におけ るガスの安定供給にも対応できるよう、容器転倒防止対策を考慮した設備レイアウトとしている。
 工場建設にあたっては、既存の充填工場が所在する土地に加え、中部エア・ウォーター本社事務所を近隣に新築移転させ、その跡地を合わせた土地上に、新充填工場を建設する。

【新充填工場概要】

名 称:中部エア・ウォーター 新充填工場
建 設 地:愛知県名古屋市緑区大根山2 丁目132 番地 (現 中部エア・ウォーター本社事務所、充填工場敷地内)
設備概要:充填所、容器検査所 生産品目:酸素、医療用酸素、窒素、アルゴン、炭酸、エルナックス(ELNACKS®)
延床面積:約6,000㎡
スケジュール:本社事務所の着工 2018 年11 月30日(金)、2019 年5 月完成予定
新充填工場の着工 2019 年6月予定、2020 年6 月完成予定

【産業ガス供給における充填所の役割】

  産業ガスの供給は、顧客のガス使用量や使用形態に応じて、シリンダー(ガスボンベ)、超低温液化ガス 容器、ローリー供給、パイピングなど、様々な供給形態でガスを安定的に供給している。シリンダーや 液化ガス容器による供給の中核拠点となるのは「充填所」と呼ばれる施設となる。大型プラントやVSU(高効率小型液化酸素・窒素製造装置)などの製造工場で生産した液化ガスは、液化ガスローリーによって充填 所まで輸送し、充填所に設置されたCE タンク(液化ガスを貯蔵する大型タンク)に納入される。そして、これをシリンダーや液化ガス容器に1本ずつ小分けし、トラックに搭載して顧客に配送する。

【中部エア・ウォーター株式会社の概要】

本 社 :愛知県名古屋市緑区大根山2 丁目132 番地
資 本 金 :3 億5 千万円
代 表 者 : 代表取締役社長 上村 浩
売 上 高 :129 億円(2017 年度実績)
従業員数 :104 名(2018 年3月末日)

中部エア・ウォーター、医療機器商社の大森器械店を子会社化

 エア・ウォーターグループの中部エア・ウォーターは、循環器系分野に強みを有する医療機器商社の大森器械店(本社:愛知県名古屋市、代表取締役社長:大森 森次、以下「大森器械店」)の株式の70%を2018年10月1日付けで取得し、子会社化した。

 エア・ウォーターの医療関連事業は、医療用ガス供給をはじめ、病院の最新設備から病院業務のアウトソーシング受託など医療機関向けの「高度医療事業」から、在宅医療、歯科、衛生材料など生活者の目線に基づいた「くらしの医療事業」まで、多岐に渡る製品・サービスを総合的に提案できる体制を構築している。また、その事業運営においては全国8つの地域事業会社が主体となって、各地域の市場や顧客ニーズを把握しながら、地域に密着した営業活動等を行っている。
 地域事業会社の1社である中部エア・ウォーターは、長年にわたり医療機関と信頼関係を構築してきた大森器械店をグループ化することによって、医療用ガスや人工呼吸器を中心とした医療機器をはじめ、グループの多様な商材をより病院のニーズに沿った形で拡販を進め、中部地区における医療事業の拡大を図る。また、エア・ウォーターグループの医療機器商社である、西村器械株式会社(京都市)や株式会社半田(金沢市)との間で、仕入れや販売面での連携でシナジー効果を図る。

【株式会社大森器械店の概要】
(1)会社名 :株式会社大森器械店
(2)設立 :1951年2月(創業は1935年)
(3)所在地 :愛知県名古屋市中区千代田5丁目17番13号
(4)代表者 :大森 森次
(5)資本金 :10百万円
(6)事業内容 :循環器系の医療機器、消耗品の卸売業
(7)従業員 :13名
(8)業績 :売上高26億円(2017年8月期)

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