エア・ウォーターと三井物産が産業ガス事業を中心としたグローバルでの協業で戦略的提携に合意

 エア・ウォーターと三井物産株式会社(以下「三井物産」)は、グローバル市場での産業ガス事業の拡大を目指すため、戦略的提携を行う覚書を2022年2月24日に締結した。

 その第一弾として、エア・ウォーターの100%子会社であるAir Water America, Inc.(以下「AWアメリカ」)の4000万ドルの優先株式を三井物産が引き受け、北米での産業ガス事業の拡大に向けた協業を開始した。

 産業ガスは、鉄の製造に必要な酸素や半導体の製造現場に欠かせない窒素のほか、アルゴン、水素、炭酸ガス、ヘリウムなど産業全般で広く使われるため様々な市場の成長と強く結びついている。また、脱炭素化の流れを背景にした水素ガスの需要など、新規市場での需要拡大も期待できる。

 こうしたなか、北米での産業ガス事業の成長・発展に取り組むエア・ウォーターと北米での様々な活動・ネットワーク等を活用して産業ガス事業への新たな取り組みを目指す三井物産の方針が一致し、互いのネットワークと知見を活用した事業拡大を目指す戦略的提携の合意に至った。

 エア・ウォーターは、成長の基本方針として、強みであるガス製造・供給に係る技術、ノウハウを活かした北米・インドでの産業ガス事業を中心に、海外事業の拡大を図っている。産業のすそ野が広い米国ではAWアメリカを通じて需要地近郊に、高効率小型空気分離プラント「VSU」を設置する地産地消の戦略で、米国産業ガス市場へ参入を計画する。

エア・ウォーターの高効率小型空気分離プラント「VSU」

 三井物産は、北米の産業ガス事業の拡大に加え、今後も世界各地での産業ガス事業を通じ、「安定供給の基盤をつくる」、「環境と調和する社会をつくる」といったマテリアリティの実現に向け貢献する。

参考

<エア・ウォーター株式会社 概要>

  • 設立:1929年
  • 本社:大阪市中央区南船場2丁目12番8号
  • 代表者:代表取締役会長 CEO・最高経営責任者 豊田 喜久夫
  • 事業内容:ものづくりの現場で使用される産業ガスの供給を原点に、人々の生命を支える医療事業、くらしに密接に関わるエネルギー事業をはじめ、ケミカル、農業・食品、物流、海水、エアゾールなど多彩な事業を展開

<三井物産株式会社 概要>

  • 設立:1947年
  • 本社:東京都千代田区大手町一丁目2番1号
  • 代表者:代表取締役社長 堀健一
  • 事業内容:金属資源、エネルギー、プロジェクト、モビリティ、化学品、鉄鋼製品、食料、流通事業、ウェルネス事業、ICT事業、コーポレートディベロップメントの各分野において、全世界に広がる営業拠点とネットワーク、情報力などを活かし、多種多様な商品販売とそれを支えるロジスティクス、ファイナンス、さらには国際的なプロジェクト案件の構築など、各種事業を多角的に展開

エア・ウォーター、北九州市に液化ガス製造プラント「北九州液酸(株)」とシリンダーガス充填工場を完成

全国で20機目の「VSU」プラント

 エア・ウォーターとグループの地域事業会社エア・ウォーター西日本(株)が、福岡県北九州市で建設を進めていた高効率小型液化酸素・窒素製造装置「VSU」とシリンダーガス充填工場が完成し、6月1日より営業運転を開始した。

 エア・ウォーターグループは、「需要地の近郊に小型プラントを設置し、輸送距離の短縮と合わせて大型プラントに匹敵する低コストで液化ガスを供給する」という製造拠点ネットワーク戦略を基軸に、営業・生産拠点と配送ネットワークを活用し、産業・医療用ガスの製造から販売まで地域に密着した事業展開を行うことで国内産業ガス事業の深耕を図っている。

 こうした中、北九州地区における産業・医療用ガスのさらなる安定供給と今後の事業拡大を見据えて建設を進めていた「VSU」プラントが6月1日より営業運転を開始。本機は全国で20機目の「VSU」プラントになる。

 また、同敷地内には、シリンダーガスの充填工場とアルゴン・エルナックス(溶接用シールドガス)の中継基地(貯槽設備)を設置、さらに、液化ガスタンクローリー基地や営業所など産業ガス事業にかかわる機能を集約し、北九州エリアにおけるガス製造・供給の中核拠点として整備した。今後は、同地での製造から販売まで一貫した体制により、さらなる安定供給とサービスの向上を図る。

設備概要

①「VSU」プラント

  • 運営会社:北九州液酸株式会社(※出資比率:エア・ウォーター30%、エア・ウォーター西日本㈱70%)
  • 所在地:北九州市若松区向洋町10番地2号
  • 製造能力:液化酸素 600 N㎥/h、液化窒素 1,400 N㎥/h
  • 運転開始:2021年6月1日

②シリンダーガス充填工場

  • 名称:エア・ウォーター西日本株式会社 九州支社 北九州支店 北九州工場
  • 所在地:北九州市若松区向洋町10番地2号
  • 設備概要:充填設備(酸素・窒素・アルゴン・炭酸・ヘリウム・混合ガス)、容器再検査設備(一般容器、ローリー)

エア・ウォーター、千葉市に国内22機目のVSU建設

シリンダー充填工場「東関東ガスセンター」も稼働

 エア・ウォーターおよびエア・ウォーター東日本株式会社(代表取締役社長:田中 豪、以下、エア・ウォーター東日本)は、首都圏における産業・医療用ガスの安定供給を目的に、千葉県千葉市に高効率小型液化酸素・窒素製造装置「VSU」を建設する。また、先行して同地に建設を進めていたシリンダーガス充填工場の「東関東ガスセンター」を稼働した。
 「VSU」プラントは国内22機目となり、2021年10月に着工、2022年11月の稼働開始を予定する。

VSU完成イメージ

 エア・ウォーターグループでは、「需要地の近郊に小型プラントを設置し、輸送距離の短縮と合わせて大型プラントに匹敵する低コストで液化ガスを供給する」という製造拠点ネットワーク戦略により、国内産業ガス事業の拡大を図っている。また、営業・生産拠点と配送ネットワークを活用し、産業・医療用ガスの製造から販売まで地域に密着した事業展開を行う。

 今回、首都圏におけるさらなる事業拡大を見据え、液化ガス製造拠点の空白エリアとなっていた千葉県西部に「VSU」を設置する。これにより、首都圏におけるエア・ウォーターグループのガス製造拠点は、東京湾を挟んだ南関東の千葉市、相模原市および北関東の宇都宮市、鹿嶋市の合計4カ所となり、府中市、川越市、富津市、つくば市に所在するシリンダーガス充填工場と合わせて、強固なガス供給ネットワーク体制を構築する。千葉における「VSU」の建設によって、京浜・京葉臨海部を中心とした各種製造業における産業用途や病院等で使用される医療用途のガス需要に対応するとともに、首都圏全域における物流の合理化、輸送時のCO2排出削減、さらにはガス製造・供給拠点間のバックアップ体制による大規模災害時のBCP対策を強化する。

 また、同エリアのガス充填拠点であった千葉エヌディーガスセンター株式会社(エア・ウォーターと大陽日酸株式会社との合弁会社)については、本年3月末をもって出資を解消し「VSU」の建設予定地にシリンダーガスの充填拠点となる「東関東ガスセンター」を新設した。これに伴い、エア・ウォーター東日本の千葉支店および千葉営業所も同地に移転し、京浜・京葉地区では初となる「川上から川下まで一貫したグループの総合ガス事業拠点」が完成する。

設備概要

① 「VSU」プラント

  • 運営会社 :千葉液酸株式会社 ※出資比率:エア・ウォーター 30 %、エア・ウォーター東日本 70 %
  • 所在地 :千葉県千葉市稲毛区六方町210
  • 製造能力 :液化酸素1,000N ㎥/h、液化窒素2,660N ㎥/h
  • 稼働開始 :2022年11月(予定)

② シリンダーガス充填工場

  • 名称 :エア・ウォーター東日本株式会社 東関東ガスセンター
  • 所在地 :千葉県千葉市稲毛区六方町210
  • 生産品目 :酸素、医療用酸素、窒素、アルゴン、炭酸ガス、エルナックス、混合ガス
  • 延床面積 :約3,500m2
  • 運転開始 :2021年4月
エア・ウォーター東日本「東関東ガスセンター」

エア・ウォーターと中部エア・ウォーター、三重県亀山市に液化ガス製造プラントを建設

 エア・ウォーターとグループ会社の中部エア・ウォーター株式会社(代表取締役社長:西村 浩和、以下 中部エア・ウォーター)は、東海・近畿東部地区における産業・医療用ガスの更なる安定供給を目的に、三重県亀山市に高効率小型液化酸素・窒素製造装置「VSU」を建設する。「VSU」プラントは2021 年7 月の稼働を予定し、設置にあわせて、同敷地内に中部エア・ウォーター/三重営業所を新設する。

 エア・ウォーターグループでは、「需要地の近郊に小型プラントを設置し、大型プラントに匹敵する低コストで液化ガスを供給する」という製造拠点戦略により、国内産業ガス市場の深耕を図っている。

 東海・近畿東部地区に おいては、2007 年に愛知県海部郡に「VSU」4 号機(東海液酸)、2009 年に静岡県富士市に「VSU」8 号機(静岡液酸)をそれぞれ建設し、供給体制の強化を図ってきた。一方で、当地区は自動車を中心に半導体・電子部品・機械などの産業が集積しており、産業ガスの需要は今後も堅調に増加することが見込まれている。

 このような状況の中、今後の事業拡大と更なる安定供給を見据え、東海・近畿の中間地区における液化ガス製造拠点の空白地区であった三重県亀山市に「VSU」を建設することを決定した。現在、東海地区に対しては、大阪湾岸部の大型拠点から一部の液化ガスを長距離輸送しているが、今回の「VSU」の稼働により、既存拠点と合わせて三重県および愛知県を中心とした東海地区の需要に対応することが可能となることから、輸送距離の短縮による物流コストの低減とCO2排出量の削減が実現する。

 また、大規模災害時においては、近畿地区や北陸地区などの近隣地区への産業・医療ガスの配送拠点として、産業やくらしのライフラインとしての役割を担うことで、より強固な供給ネットワークを構築する。

設備概要

  • 名称 :亀山液酸㈱(VSU21 号機)
  • 所在地 :三重県亀山市白木町 (亀山・関テクノヒルズ内)
  • 製造能力 :液化酸素1,000 N ㎥/h、液化窒素2,660 N ㎥/h
  • 運転開始 :2021 年7 月(予定)
「VSU」の完成イメージ

エア・ウォーターと九州エア・ウォーター、北九州市に液化ガス製造プラントおよび総合充填工場を建設

 エア・ウォーターとグループ会社の九州エア・ウォーター株式会社(代表取締役社長:道志 年章、以下「九州エア・ウォーター」)は、北九州地区における産業・医療用ガスの更なる安定供給を目的に、福岡県北九州市に高効率小型液化酸素・窒素製造装置「VSU」を建設する。また、同一敷地内に九州エア・ウォーターの総合充填工場を建設することを決定した。「VSU」プラント並びに総合充填工場は2021 年5 月の稼働を予定。

 エア・ウォーターグループでは、北九州地区における産業・医療用ガスの安定供給を目的に、2016 年に長崎県諫早市に「VSU」13号機を、続いて2017年に福岡県大牟田市に「VSU」14号機となるアルゴン併産型の「VSUA」をそれぞれ建設するなど、災害に強い産業・医療用ガス供給ネットワークの確立を進めている。

 そうした中、更なる安定供給と今後の事業拡大を見据え、全国で 20 号機目となる「VSU」プラントを福岡県北九州市に建設するとともに、現在、日本製鉄㈱八幡製鉄所[小倉地区]の構内にある九州エア・ ウォーターのシリンダーガス充填工場の機能を移転・拡充する形で、新たな充填工場を建設する。

 新しい充填工場では、最新鋭の充填設備を導入することで充填ロスの削減を図るとともに、九州エア・ ウォーター熊本工場のヘリウム充填設備や容器検査設備を移転集約することで、シリンダーガスの総合充填工場として効率的な運営を図る。また、同敷地内には、「VSU」プラントと総合充填工場のほか、タンクローリー基地や営業所など産業ガス事業にかかわる機能を集約し、北九州エリアにおける総合ガス事業所としての拠点整備を行う。

建設する設備等の概要
  • 「VSU」プラント
    • 名称 :北九州液酸㈱※ (VSU20 号機)
    • 所在地 :北九州市若松区向洋町10 番地
    • 製造能力 :液化酸素600N ㎥/h、液化窒素1,400 N ㎥/h
    • 運転開始 :2021 年5 月(予定)

※北九州液酸㈱は、エア・ウォーター30%、九州エア・ウォーター70%を出資比率とする合弁会社

  • 総合充填工場
    • 名称 :九州エア・ウォーター㈱ 北九州工場
    • 所在地 :北九州市若松区向洋町10 番地
    • 設備概要 :充填設備(酸素・窒素・アルゴン・炭酸ガス・ヘリウム・混合ガス) 容器再検査設備(一般容器、ローリー)
    • 運転開始 :2021 年5 月(予定)

 なお、日本製鉄㈱八幡製鉄所[小倉地区]構内にある九州エア・ウォーターの北九州営業所は、2021 年5 月に同地へ移転予定。

エア・ウォーターと藤井商事、中・四国エア・ウォーターの合弁会社「福山液酸」にVSUプラント完成

 エア・ウォーターが広島県福山市で建設を進めていたVSUプラント(高効率小型液化酸素・窒素製造装置)が完成、2019年4月25日に開所式を行い、営業運転を開始した。

 エア・ウォーターは、全国に高効率小型液化酸素・窒素製造装置「VSU」を設置し、大規模災害時でも産業ガス・医療用ガスの安定供給が可能となる「VSUネットワーク」の構築を進めている。ガス需要地に近い生産拠点から近距離輸送を行う新しい供給モデルによって、「安定供給」「省エネ」「CO2 排出量低減」を同時に実現。また、各地域の有力な産業ガスサプライヤーとの合弁事業として運営することで、当該地域における産業ガスの安定供給をさらに盤石なものとする。

 今回、広島県福山市に全国で17 ヶ所目となるVSUプラントを建設。同プラントは、地域の有力な産業・医療用ガスサプライヤーである藤井商事との共同事業会社となる福山液酸が運営を行う。中国地方へのガス供給は、これまで防府工場(山口県防府市)、加古川工場(兵庫県加古川市)、山陽エア・ケミカルズ株式会社(広島県大竹市)が主な製造拠点だったが、本拠点が加わることで、より災害に強い安定供給ネットワークを拡充、藤井商事との協業により、地域に密着した事業展開を進める。

福山液酸 VSUプラント

【プラント(VSU)および合弁会社の概要】

  • 名称 :福山液酸(株)(VSU17 号基)
  • 所在地 :広島県福山市箕沖町105 番地の4(藤井商事株式会社 本社工場 隣接地)
  • 出資比率:エア・ウォーター(株)51%、中・四国エア・ウォーター(株)29%、藤井商事(株)20%
  • 製造能力:液化酸素700N㎥/h、液化窒素1,600N㎥/h

山形県に液化ガス製造プラントを建設し安定供給体制を強化

 エア・ウォーターは、東北地方における産業・医療用ガスの更なる安定供給を目的に、山形県寒河江市に高効率小型液化酸素・窒素製造装置「VSU」を建設する。
 国内で19基目となるこの「VSU」は、東北地方では3基目の自社製造拠点となり、東北地方全域のガス需要に応える。また、東北地方全域に対する安定供給と長距離物流に伴う環境負荷の低減を図るとともに、災害に強い安定供給ネットワークを構築する。

VSU完成イメージ

 今回の「VSU」建設は、山形県における有力産業・医療用ガスサプライヤーである山形酸素との合弁事業によるもの。

 エア・ウォーターはこれまで、主に福島液酸(福島県本宮市)と2018年10 月より稼働を開始した岩手工場(岩手県紫波郡)ならびに仙台サンソセンター(宮城県仙台市)を、東北地方における産業・医療用ガスの製造拠点として地域のガス供給を担ってきた。こうした状況のなか、東北地方全域における産業・医療用ガスの一層の安定供給体制確立を目的に、山形県寒河江市に「VSU」を建設することを決定した。

【プラント(VSU)および合弁会社の概要】

名 称 :山形液酸株式会社
所在地 :山形県寒河江市(寒河江中央工業団地内)
出資比率 :未定。但し、エア・ウォーターグループ(エア・ウォーターおよび東北エア・ウォーター株式会社)が51%以上を出資。
設立時期 :2019 年6 月(予定)
製造能力 :液化酸素600 N m3/h、液化窒素1,400 N m3/h
運転開始 :2020 年6 月(予定)

※「VSU」の設置に合わせて、同敷地内においてシリンダー充填工場を建設する予定。

【産業・医療用ガス】

 酸素や窒素といった産業ガスは、鉄鋼、造船、化学、電機、食品など産業界のあらゆる分野で使われており、産業ガスを使わない業界はないと言っても過言ではない。例えば、造船所では建造に際しての溶接などに使われる。また、身近にあるスマートフォンなどの電子機器を制御している半導体デバイスの製造や食品の酸化防止(品質維持)においても産業ガスは欠かすことはできない。
 また、人の生命を支える医療の現場においても欠かすことができないのが医療用ガスで、とりわけ医療用酸素は、大規模災害時においても緊急かつ安定的に供給する必要がある。

エア・ウォーター、岩手県犬渕工業団地に16基目のVSUプラント完成

エア・ウォーターが、岩手県紫波郡の犬渕工業団地にて建設を進めてきたVSUプラント(高効率小型液化酸素・窒素製造装置)が完成し、2018年10月より営業運転を開始した。

エア・ウォーターはこれまで、北東北地方(青森県、秋田県、岩手県)における産業・医療用ガスの供給においては、主に福島液酸(福島県本宮市)および仙台サンソセンター(宮城県仙台市)を主力の製造拠点として、ガス供給を担ってきた。
そうした中、自動車や半導体産業が数多く集積する岩手県南地域における事業拡大と、北東北地方におけるガスのさらなる安定供給体制の確立を目的に、今回、岩手工場を新設したもの。同工場敷地内には、エア・ウォーターの地域事業会社である東北エア・ウォーターの岩手支店を設けることで、製造から販売まで一貫した体制を整備し、さらなるサービスの向上を図る。

また、当プラントは、エア・ウォーターが全国で設置を進めているVSUプラント(高効率小型液化酸素・窒素製造装置)の16 号機であり、北東北地方では初の自社製造拠点となる。需要地近郊で生産を行い、物流コストの低減と輸送距離の短縮化によるCO2 排出量の削減を図るとともに、東北地方全域でのバックアップ体制を拡充し、災害に強い安定供給ネットワークを構築することで、地域の産業・医療に貢献する。

【プラントの概要】

名称 :エア・ウォーター株式会社 岩手工場
所在地 :岩手県紫波郡紫波町 犬渕工業団地内
製造能力:液化酸素600 N m3/h、液化窒素1,400 N m3/h
運転開始:2018 年10 月

エア・ウォーター、中国・四国地域に2拠点の液化ガス製造プラントVSUを建設

 エア・ウォーターは、中国・四国地域の産業ガス・医療用ガスの更なる安定供給を目的に、広島県福山市に高効率小型液化酸素・窒素製造装置「VSU」の17号機、香川県坂出市に18号機をそれぞれ建設し、地域のガス需要に応える。広島県福山市に建設する「VSU」は、同地域の有力産業ガスサプライヤーである藤井商事、香川県坂出市に建設する「VSU」は、エア・ウォーターのグループ会社(エア・ウォーターの出資比率51%)である松山酸素との合弁事業によるもの。

 エア・ウォーターはこれまで、中国・四国地域の産業ガス・医療用ガス供給においては、エア・ウォーターの防府工場(山口県防府市)、山陽エア・ケミカルズ(広島県大竹市)および松山酸素(愛媛県松山市)を主な製造拠点として地域のガス供給を担ってきた。中国・四国全域における産業ガス・医療用ガスの一層の安定供給と長距離物流の短縮化に伴う環境負荷の低減を図ることを目的に、新たに製造2拠点を建設する。

【プラントおよび合弁会社の概要】

①名称 :福山液酸株式会社(「VSU」17号機)
所在地 :広島県福山市(藤井商事㈱ 本社工場 隣接地)
出資比率 :エア・ウォーター㈱ 51%、中・四国エア・ウォーター㈱ 29%、藤井商事㈱ 20%
製造能力 :液化酸素700 N ㎥/h、液化窒素1,600 N ㎥/h
運転開始 :2019 年4 月(予定)
補足事項 :中・四国エア・ウォーター㈱は、エア・ウォーターが100%出資する地域事業会社。

②名称 :讃岐液酸株式会社(「VSU」18号機)
所在地 :香川県坂出市(㈱日本海水 讃岐工場 隣接地)
出資比率 :エア・ウォーター㈱ 30%、中・四国エア・ウォーター㈱ 30%、松山酸素㈱ 40%
製造能力 :液化酸素700 N ㎥/h、液化窒素700 N ㎥/h
運転開始 :2019 年5 月(予定)

補足事項 :㈱日本海水は、国内産塩トップシェアの塩事業を中心に電力事業や環境事業など幅広い事業を展開しているエア・ウォーターのグループ会社。「VSU」の設置に合わせて、中・四国エア・ウォーター㈱香川工場(香川県綾歌郡)のシリンダー充填所、容器再検査場を同敷地内にリプレースする。

エア・ウォーター、宇都宮工場の新プラント営業運転開始

 エア・ウォーターは、宇都宮工場(栃木県宇都宮市)に建設を進めていたVSUA(高効率小型液化酸素・窒素・アルゴン製造装置)が完成し、12月1日より営業運転を開始した。

 エア・ウォーター宇都宮工場は、栃木県宇都宮市の清原工業団地内にて、平成7年(1995年)に稼動を開始し、同工業団地内の顧客へパイピングによる酸素ガス、窒素ガス、アルゴンガス供給を拡大するとともに、北関東地区を中心とした東日本地域にタンクローリー供給する液化酸素、液化窒素、液化アルゴンの製造を担ってきた。
 そうした中、同工場は稼動後22年が経過し老朽化対策が必要となっていたこともあり、今回、生産性向上と省エネルギー化を合わせて実現できる最新鋭プラントへとリプレースしたもの。

 新プラントは、エア・ウォーターが全国で設置を進めているVSU(高効率小型液化酸素・窒素製造装置)シリーズの15号機となる。日本屈指の規模を誇る同工業団地内の顧客へのパイピングガス供給能力強化と同時に、タンクローリー供給による産業・医療用ガスの災害に強い安定供給ネットワークを強化する。

【新プラントの概要】
製造能力 :酸素ガス1,500Nm3/h、窒素ガス3,000Nm3/h、
      液化酸素2,100Nm3/h、液化窒素5,000Nm3/h、
                     液化アルゴン150Nm3/h
設備メーカー:エア・ウォーター・プラントエンジニアリング株式会社

岩手県に液化ガス製造プラントを建設し安定供給体制を強化

 エア・ウォーターは、東北地方における産業・医療用ガスの安定供給強化を目的に、岩手県紫波郡にVSU(高効率小型液化酸素窒素製造装置)を建設する。16基目となる当該VSUは、エア・ウォーターにおいて北東北地方(青森県、秋田県、岩手県)では初の自社製造拠点となり、北東北地方のガス需要に応える。また、東北地方全域に対する安定供給と長距離物流に伴う環境負荷の低減を図るとともに、災害に強い安定供給ネットワークを構築する。

 エア・ウォーターはこれまで、北東北地方のガス供給においては、主に福島液酸(福島県本宮市)ならびに仙台サンソセンター(宮城県仙台市)を主力の製造拠点として、ガス供給を担ってきた。そうした状況のなか、東北地方全域における産業・医療用ガスの一層の安定供給体制確立を目的に、岩手県紫波郡紫波町にVSUを建設するもの。当該VSUを中心とした産業・医療用ガスの安定供給や雇用創出を通じて、地域に貢献する。

【プラントの概要】
名称 :エア・ウォーター株式会社 岩手工場
所在地 :岩手県紫波郡紫波町 犬渕工業団地内
製造能力 :液化酸素600 N m3/h、液化窒素1,400 N m3/h
運転開始 :2018 年10 月を予定

西九州地域2拠点にプラントを建設し液化ガス安定供給体制を構築

 エア・ウォーターは、長崎、佐賀、福岡など西九州地域の産業ガス・医療用ガスのさらなる安定供給を目的に、長崎県諫早市にVSU13号機(高効率小型液化酸素窒素製造装置)を新設、福岡県大牟田市に老朽化プラントのリプレースとしてVSUA(高効率小型液化酸素窒素アルゴン製造装置)をそれぞれ建設し、2拠点の連携運営として地域のガス需要に応える。
 同事業は、福岡県を中心に九州の広域にわたり事業を推進する、大手産業・医療用ガスメーカーの福岡酸素との協力事業になる。

 エア・ウォーターはこれまで、西九州地域のガス供給においては、九州工業ガス(大牟田市)ならびに小倉工場(北九州市)の一部を主力の製造拠点として地域のガス供給を担ってきた。今回の事業は、九州工業ガスのプラントの老朽化対策ならびに、九州全域における産業・医療用ガスの一層の安定供給体制確立を目的に、製造の2拠点体制を構築するもの。
 2拠点体制の構築を進めるにあたり、九州における有力メーカーである福岡酸素より製造拠点整備への理解と協力を得て、地域における安定供給への志を一にし、産業・医療用ガスの地域における、災害に強い絶対的安定供給体制確立にむけ大きく前進する。

【プラントの概要】

①長崎VSU(長崎液酸株式会社)
所在地 :長崎県諫早市
出資比率 :エア・ウォーター 51%、九州エア・ウォーター19%、福岡酸素 30%
製造能力 :液化酸素600N ㎥/h、液化窒素1,400 N ㎥/h
運転開始 :2016 年7 月を予定
設備投資額:約14 億円

②九州工業ガス株式会社 VSUA
所在地 :福岡県大牟田市
出資比率 :エア・ウォーター 60%、福岡酸素 25%、三井化学 10%、大陽日酸 5%
製造能力 :酸素ガス/窒素ガス:4,800 N ㎥/h、液化酸素/液化窒素:2,250 N ㎥/h、アルゴン 124 N ㎥/h
運転開始 :2016 年12 月下旬を予定
設備投資額:約22 億円

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