世界初、大面積 8 インチ SiC on Si基板の量産技術開発に成功し生産販売開始
エア・ウォーターは、パワー半導体や LED(発光ダイオード)向け下地基板として、世界で初めて高品質な SiC(シリコンカーバイト)基板を最大8インチまで生産できる技術を開発し、量産体制を整えた。これは安価な Si(シリコン)基板を用いて、その表面上に高品質SiC 単結晶薄膜を量産する技術。SiC は高周波デバイス用などとして期待されている GaN(窒化ガリウム)の成膜に適していると言われており、エア・ウォーターの SiC 基板を用いると、品質の良い GaN 基板を比較的容易に得ることができる。
またにエア・ウォーターでは、SiC 基板の表面に GaN 単結晶薄膜を成膜した基板の製造販売もあわせて実施する。大面積化、結晶の高品質化、低コスト化を同時に達成することにより、パワー半導体や LED の普及加速に貢献する。
エア・ウォーターは、1980年代からガス応用技術の一環として、半導体結晶薄膜の製造装置(VCE: Vacuum Chemical Epitaxy)の技術開発、装置の製造販売を行っており、これにエア・ウォーターの独自技術である硝子やプラスチックの表面処理技術(大気圧プラズマ技術)、さらに、金属の表面処理技術(NV 窒化処理技術)の3つの技術を融合し、従来困難とされていた Si 基板上への高品質 SiC の成膜・量産化に成功した。
同開発技術は、SiC 基板を大面積化することで、顧客のデバイス製造時の低コスト化に貢献する。また、2013年4月、かねてより建設を進めてきた安曇野工場が完成し、Siの上に成膜した SiC 基板および GaN 基板を製造する薄膜単結晶製造工場として製造を開始している。
【製品概要】
①製品の種類 :Si 基板上の SiC 薄膜単結晶、またはこの表面にさらに GaN 薄膜単結晶を成膜した基板
②製品のサイズ :SiC:2~8 インチ、GaN:2~6 インチ(需要により8インチも対応可能)
③最大生産能力: 6 または 8 インチの場合 2,000 枚/月(24,000 枚/年)、2 インチの場合 16,000 枚/月(192,000 枚/年)