苫小牧共同酸素、産業・医療用ガスプラントの稼動開始
苫小牧共同酸素(王子製紙、エア・ウォーターが各50%を出資)は、苫小牧市に建設を進めてきた最新鋭の酸素・窒素ガス製造プラントを完成し、2015年3月1日より稼動を開始した。
これにより苫小牧共同酸素は、王子製紙苫小牧工場への酸素ガスのパイピング供給をはじめ、エア・ウォーターが北海道全域に供給する産業ガス、医療用ガスの重要な製造拠点として、一層の安定的製造・供給体制が整うことになる。
苫小牧共同酸素は、1976年に王子製紙とエア・ウォーターの各50%の出資により設立された。北海道苫小牧市の王子製紙苫小牧工場の隣接地に酸素・窒素ガス製造プラントを設置し、王子製紙への酸素ガスパイピング供給を行うとともに、北海道全域に供給する液化酸素・窒素の製造を担ってきた。
同プラントは設置後38年が経過したことから、将来にわたる安定供給を図ることを目的に、エア・ウォーター製の最新鋭プラントへとリプレースされている。
【新工場の概要】
- 工場名:苫小牧共同酸素株式会社本社工場
- 所在地:北海道苫小牧市弥生町1丁目
- 生産能力:酸素ガス 3,300Nm3/h、窒素ガス 4,000Nm3/h
- 投資額 :29億円
- 稼動開始:2015年3月1日
産業ガスに代表される酸素や窒素は、製紙、鉄鋼、化学、電機、食品など産業界のあらゆる分野で使われており、産業ガスを使わない業界はないと言っても過言ではない。例えば、製紙工場では紙やパルプの漂白などに使われる。また、身近にあるスマートフォンなどの電子機器を制御している半導体デバイスの製造にも、さらに製鉄所で鉄を製造する過程においても産業ガスは欠かすことはできない。しかしながら、いくら製品を眺めても、使われた産業ガスの姿を見つけることはできない。産業ガスはものづくりの根幹を支える黒子の役割を果たしている。
また、医療の現場においても欠かすことができないのが酸素ガスで、人の生命を支える医療用ガスとして医療の現場においては大切な存在となる。とりわけ医療用酸素は、震災など大規模災害時においても緊急かつ安定的に供給する必要がある。