エア・ウォーター、新中期経営計画「NEXT-2020Ver.3」を策定
エア・ウォーターは、2016年度を初年度とする3ヵ年の中期経営計画『NEXT-2020Ver.3』を策定した。この『NEXT-2020Ver.3』は、2010年度を初年度とし、20年度までに売上高1兆円を目指す長期成長ビジョン「NEXT-2020 1兆円企業ビジョン」の第三ステップに位置づけられる。
2010年度~2012年度の中期経営計画「NEXT-2020Ver.1」では、1兆円企業ビジョン実現のための地盤固めを進め、2013年度~2015年度の前中期経営計画である「NEXT-2020Ver.2」では、1兆円企業ビジョンに向けての成長・飛躍を目指し、「成長と改革への挑戦」をキーワードとして、各事業分野で主要施策を実行した。
この6年間で、エア・ウォーターグループは、売上高で2,342億円、営業利益で113億円、経常利益で61億円、当期純利益で62億円の増収増益となっている。また、この期間の株主資本利益率(ROE)の平均は9.4%で、自己資本比率も40%前後を維持しており、財務の健全性を保ちながら、バランスのとれた成長を成し遂げてきた。
新中期経営計画「NEXT-2020Ver.3」(2016年度~2018年度)では、これらの前中期経営計画までの成果や足跡を踏まえながら、「1兆円企業ビジョン実現に向けての体質づくり」と「2020年以降の成長に向けての礎づくり」の2つを、取り組むべき経営課題と位置づけた。
2020年度に 1 兆円企業を実現するために相応しい体制を整え環境変化に強い事業体質をさらに磨いていくことに加え、2020年以降も永続して成長発展する企業であることを目指し、その礎となる施策に今から着手していくことが必要であるとしている。
『構造改革と持続成長へのさらなる挑戦』という新たな基本コンセプトのもと、エア・ウォーターの経営の基本である「全天候型経営」と「ねずみの集団経営」の真価をさらに高めるための取り組みを推進し、各事業分野の具体的な戦略実行によって計画を達成する。
1.新中期経営計画「NEXT-2020Ver.3」の経営目標 (単位:億円)
年度 | 2016年度 | 2017年度 | 2018年度 |
売上高 | 7000 | 7700 | 8500 |
営業利益 | 425 | 460 | 510 |
経常利益 | 420 | 460 | 510 |
当期純利益 | 230 | 260 | 290 |
<経営指標>
経常利益率 :6%以上、自己資本比率: 40%、ROE: 10%以上、 ネット D/E レシオ: 0.75 倍以下
2.新中期経営計画「NEXT-2020 Ver.3」の基本コンセプト
新中期経営計画「NEXT-2020 Ver.3」の基本コンセプトを「構造改革と持続成長へのさらなる挑戦」とし、次のような実行施策を策定した。
(実行施策1)事業構造改革の実践による企業体質の強化
・あらゆるものの構造改革への挑戦
・事業基盤強化のための戦略投資の実施
・コーポレート機能、コンプライアンス機能の強化
(実行施策2)極限のソリューションサービス追求とイノベーションの実現
・顧客ニーズに適った最良の製品、サービスの追求
・地域を中心とする事業強化によるALLエア・ウォータービジネスの推進
・グループ総合力による事業イノベーションへの挑戦
(実行施策3)「2020年度以降の成長」に向けての課題への挑戦
・ポストアクイジションによるM&A効果の最大化
・研究開発体制の再構築による新しい技術立社実現
・グローバル事業強化のための海外事業支援体制の構築
3.新中期経営計画「NEXT-2020 Ver.3」のセグメント別 基本施策
(1)産業ガス関連事業
プラント技術力、営業力、グループ力で地域密着型の事業を徹底
(2)医療関連事業
病院向け事業全ての改革を推進し、グループ力の結集により強固な収益基盤を再構築
(3)農業・食品関連事業
M&Aにより、当社の事業に不可欠なビジネスを揃え、事業規模拡大そして各事業の成長を図る
(4)エネルギー関連事業
エネルギー自由化による市場競争激化をチャンスと捉え、当社が有する技術、サービス、インフラをフルに活かしたビジネスモデルを構築
(5)その他事業
日本海水は、環境事業に注力し第2の柱へ。タテホ化学は、響灘工場稼働により最適生産と拡販を実行。
その他の事業群は、技術とグループシナジーの追求で更なる成長を目指す。
4.投資計画
3ヵ年投資合計 | 設備投資 | M&A投資 |
2,400億円 | 1,800億円 | 600億円 |
(設備投資)
・VSUプラント建設、大型オンサイト建設、滅菌センター新設、電力事業、等
(M&A投資)
・年間200億円、3ヵ年総額600億円
・既存分野、成長分野、新規分野を問わず、グループ総合力の最大発揮に向け積極投資
5.2020年度1兆円企業をめざして
新中期経営計画の最終年度となる2018年度の業績目標は、売上高8,500億円、営業利益510億円、経常利益510億円。この数値は、2010年度の中期経営計画Ver1スタート時から見ると、売上高で2倍となる。