小池酸素工業、2019年3月期連結決算
小池酸素工業の2019年3月期(2018年4月~2019年3月)の連結決算は、売上高462億1700万円(前年同期比4.1%増)、営業利益9億6500万円(同27.9%減)、経常利益12億1200万円(同21.0%減)、親会社株主に帰属する純利益5億1400万円(同31.8%減)だった。期末配当は10円減額の60円としたが、100周年の記念配当20円を実施し、年間配当は10円の増配の80円。
グループの主需要先である建設業界では需要に回復の動きが見られたが、産業機械業界・造船業界では市況の悪化が見られ、厳しい状況で推移した。創業100周年に向けた「グランド100トライアスロンセール」による拡販 活動の活性化に努め、売上高は増加したが、価格競争の激化などにより、利益は減少した。
セグメント業績
【機械装置部門】「グランド100トライアスロンセール」の一環として拡販活動に取り組むとともに、 「2018KOIKEプライベートフェア」などの展示会を開催し、多くの受注を獲得、売上高は増加した。しかしながら、価格競争の激化などにより、利益は減少した。売上高は185億0500万円(前期比3.3%増)、セグメント利益は9億5500万円(同17.6%減)。
【高圧ガス部門】「グランド100トライアスロンセール」の一環として拡販活動を強化したことにより、 売上高は増加したが、高圧ガスの原価および物流コストの上昇や老朽化したアセチレン容器の更新を始めとした安全面をより強化するための費用が増加したことなどにより、利益は減少した。売上高は167億1000万円(前期比4.0%増)、セグメント利益は6億9500万円(同11.0%減)。
【溶接機材部門】「グランド100トライアスロンセール」の一環として「こいけ市」を始めとした展示会でのPRや溶接用保護面を中心とした巡回営業などの拡販活動を推進するとともに、設備関連の大型案件の受注を獲得したことで、溶接材料・溶接機・溶接関連商品の売上高が増加した。しかしながら、価格競争の激化などにより、利益は減少した。売上高は98億9000万円(前期比7.0%増)、セグメント利益は3億円(同2.0%減。
【その他の部門】排ガス処理装置は中国での旺盛な需要を背景として受注が大幅に増加したものの、ヘリウム関連機器については大型案件の受注に至らず、売上高は減少した。 一方で、排ガス処理装置の受注増、原価低減への取組などにより利益は増加した。売上高は11億0900万円(前期比5.8%減)、セグメント利益は1億6300万円(同53.9%増)。
今後の見通し
機械装置部門は、働き方改革を背景とした省力化に対するニーズの高まりに対して、消耗品の自動交換や夜間の無人運転などが可能となる製品の開発に取り組むとともに、ガス・溶接・切断の一体販売の推進や各種展示会でのPRの実施などにより、拡販活動に取り組む。また、海外拠点の体制強化に向けたグローバルな人材育成を推進し、世界市場での競争力の強化に努める。
高圧ガス部門は、ガス・溶接・切断の一体販売や販売店との連携体制の強化に取り組み、拡販活動を推進する。また、物流体制の合理化や老朽化したガス充填工場の再構築を推進し、原価低減や安全の確保を徹底する。
医療分野は、CPAPのIoT化の推進や新製品の拡販に取り組むとともに、中国やインドネシアなどアジアを中心とした海外市場の開拓に努める。
溶接機材部門は、ガス・溶接材料・溶接機器のプロセス提案による一体販売の強化や安全講習会を積極的に実施するとともに、「こいけ市」を始めとした各種展示会での拡販活動を推進する。
その他の部門では、排ガス処理装置やヘリウム関連機器について新製品開発を推進し、拡販活動に取り組む。
次期、2020年3月期連結会計年度における業績は、売上高460億円(前期比0.5%減)、営業利益10 億円(同3.6%増)、経常利益12億5000万円(同3.1%増)、親会社株主に帰属する当期純利益6億円(同16.6% 増)を見込む。年間配当金は期末70円と10円の減額予想。