エア・ウォーターが宇宙ベンチャー SPACE WALKER 社と協力関係を構築
北海道大樹町で打ち上げを計画するサブオービタルスペースプレーンの設計・開発・運用で基本合意
エア・ウォーター株式会社(本社:大阪府大阪市中央区、代表取締役会長・CEO:豊田喜久夫、以下「エア・ウォーター」)と、エア・ウォーター北海道株式会社(本社:北海道札幌市中央区、代表取締役社長:北川裕二、以下「エア・ウォーター北海道」)は、株式会社SPACE WALKER(本社:東京都港区、代表取締役:眞鍋顕秀、以下「SPACE WALKER 社」)と、北海道大樹町にて打ち上げを計画するSPACEWALKER 社のサブオービタルスペースプレーン※の設計・開発・運用を行う上で、協力関係を構築することを目的に基本合意書を締結した。
SPACE WALKER 社は、東京理科大学発の宇宙ベンチャー企業であり、「宇宙が、みんなのものになる。」というスローガンの下、誰もが飛行機に乗るように自由に宇宙を行き来できる未来の実現を目指し、サブオービタルスペースプレーンの設計・開発、運航サービスの提供を目的に2017 年12 月に設立された。現在は、技術実証機の設計・開発や、2020 年代前半に打ち上げを目指すサブオービタルスペースプレーンの設計・開発が進められている。
また、現在、北海道大樹町では、「北海道スペースポート構想」を掲げ、官民一体となって「宇宙のまちづくり」を進めており、ロケットの打ち上げ射場の整備や滑走路の延伸・新設などが盛り込まれ、航空宇宙産業の形成を推進している。
今回の提携は、当射場より打ち上げを計画する SPACE WALKER 社と協力関係を構築することを目的として締結するもの。SPACE WALKER 社は LOX/Methane(メタン)エンジンをサブオービタルスペースプレーンに搭載することを想定しており、燃料となるメタン等の産業ガスの利用を検討する。
エア・ウォーターは、1970 年代から宇宙ロケット開発に携わり、供給設備の納入や大学との研究開発を進めてきたほか、北海道内トップの産業ガスメーカーとして、製造、貯蔵、運搬から使用方法に至るまでの豊富な知見と技術を保持している。今後は、ロケット打ち上げ時の酸素やメタン(LNG)などを供給するほか、ロケット燃料に関する実証試験や地上設備に関する検討を共同で行う。
協力項目
・燃料(LOX/メタン)調達に関する事項
・バイオ液化メタンのロケット燃料利用に関する実証
・射場の地上設備に関する事項 等
※)サブオービタルスペースプレーンについて
サブオービタルスペースプレーン(Sub-orbital Spaceplane)とは、地上から出発し、弾道軌道を描き高度100km 程度まで上昇後、帰還時は有翼で飛行機のように滑走路に着陸する宇宙飛行機。飛行には、燃料の燃焼によって推進力を生み出すロケットエンジンを搭載した機体が必要。現在は科学実験、小型衛星の打ち上げ、宇宙旅行の分野で研究開発が行われている。