東芝エネルギーシステムズ、福井県敦賀市で「H2Oneマルチステーション™」1号機を開所
東芝エネルギーシステムズは再生可能エネルギー由来のグリーン水素を燃料電池車への充填や発電へ利用する「H2Oneマルチステーション™」1号機を福井県敦賀市で開所した。「H2Oneマルチステーション™」は、同社が開発した「H2One ST Unit™」及び「H2One™」を組み合わせたシステムで構成され、再エネからつくられた水素を利用し、燃料電池車向け燃料および電気を供給できる燃料電池システムとして、国内初注1の稼働となる。
2018年8月に敦賀市と東芝エネルギーシステムズは「水素サプライチェーン構築に関する基本協定」を締結し、これまで敦賀市内における水素サプライチェーンの構築へ向けた検討を重ねてきた。2019年12月には「H2One ST Unit™」が開所し、今回東芝エネルギーシステムズが開発した自立型エネルギー供給システムのワンコンテナ型H2One™を新たに設置し、「H2Oneマルチステーション™」として稼働を開始した。
本ステーションでは、再生可能エネルギーで発電した電力により水素を製造する。「H2One ST Unit™」で製造した水素は燃料電池車約8台分注2の運用が可能で、最速3分注3で満充填が可能。さらに、製造した水素は今回設置された「H2One™」の水素タンクへ貯蔵され、必要な時にいつでも燃料電池で発電し電気供給することが可能となる。電気は、今回新たに設置された電気自動車専用スタンド、併設するR&Dセンターの照明、敦賀市公設地方卸売市場等へ供給される。また、電気によって水を温め、お湯として施設内の手洗い用に利用する。
一方、水素エネルギーの研究開発を進めるR&Dセンターも完成し、今月中旬から公開する。
注1:日本初(東芝エネルギーシステムズ調べ:2020/11/5時点)
注2:国内の自動車平均走行距離(23.2km/日)から算出
注3:蓄圧器が満充填の場合