エア・ウォーターと米国プラグパワー社が水素サプライチェーン構築で連携強化
水素関連機器の供給で米国における水素インフラを構築
エア・ウォーターのグループ会社で、米国で低温液化ガストレーラーや貯槽の製造販売を行うTaylor-Wharton America(以下、テーラー・ワートン・アメリカ社)は、主にフォークリフト向け燃料電池システム※1を開発・製造するPlug Power(以下、プラグパワー社)と、クリーンエネルギーである水素の輸送や貯蔵などのインフラ構築に関する連携を強化し、同社が進める水素燃料電池のサプライチェーン構築を支援する。
テーラー・ワートン・アメリカ社は、米国テキサス州に製作拠点を有し、産業ガスやLNGを運ぶための液化ガストレーラーや貯蔵するための液化ガスタンクなどの低温機器の製作を行っており、特に低温輸送機器の分野では米国トップクラスのシェアを有する。プラグパワー社向けには 2016 年に液化水素タンクを納入して以来、同社の事業成長に合わせてタンクやトレーラーを供給してきた。
プラグパワー社は、クリーンエネルギー関連で大きな注目を集める米国の燃料電池メーカーであり、フォークリフトや無人搬送車などを動かすための燃料電池を開発・製造するとともに、その燃料となる水素ガスや供給システムまでを一貫して提供している。特に燃料電池フォークリフトは、高い環境性能と経済性を両立することができるため、アマゾン・ドット・コム、ウォルマートといったグローバル流通企業の巨大倉庫で導入が進んでおり、世界的な脱炭素化の動きに合わせ、その市場は急速に拡大している。現在、同社は、米国における最大の液化水素ユーザーであり、クリーンエネルギーの需要がさらに増加し続けるなか、水素燃料電池のサプライチェーン構築が急務になっている。
テーラー・ワートン・アメリカ社は、水素エネルギー社会への構造転換を見据え、プラグパワー社のさらなる事業成長に不可欠な水素関連機器の販売やリースソリューションの提供を行う。さらに今後は、テーラー・ワートン・アメリカ社が長年培ってきた産業ガス関連技術を強みに、高性能な断熱性能が要求される液化水素関連機器※2の需要に応え、エンジニアリング拠点のさらなる設備増強も視野に入れながら、プラグパワー社が進める水素燃料電池のサプライチェーン構築を支援する。
※1燃料電池は、「水素」と空気中の「酸素」の化学反応によって発生した電気を継続的に取り出すことができる仕組みで、その電気によりモーターを動かす。排出されるのは「水」だけで、エネルギー効率にも優れているため、未来を担うクリーンなエネルギーとして注目されている。燃料電池フォークリフトは、バッテリー式と比較して、充電作業や交換の手間がかからず、電池性能の劣化もほとんどない。また、ガソリン式と比較して、CO2排出量をゼロに削減できるメリットがある。
※2液化水素はマイナス253℃という極低温のため、可能な限り気化を抑えるための高度なエンジニアリング技術を必要とする。
テーラー・ワートン・アメリカ社の主な製品
テーラー・ワートン・アメリカ社概要
- 会社名:Taylor Wharton America Inc.(テーラー・ワートン・アメリカ社)
- 所在地:米国 テキサス州
- 事業内容:低温機器の製造・販売
- 代表者:CEO Eric Rottier
- 株主:Air Water America Inc. (エア・ウォーター・アメリカ社)100%、同社がテーラー・ワートン・アメリカ社に出資した時期:2018 年11 月
※エア・ウォーター・アメリカ社は、米国事業を統括・管理するエア・ウォーター100%子会社。