豪州クイーンズランド州に、岩谷オーストラリア会社ブリスベン事務所を開設

水素の大量調達に向け、現地との関係強化を目指す

 岩谷産業は、HySTRA(技術研究組合CO2フリー水素サプライチェーン推進機構)のプロジェクト推進に加え、クイーンズランド州の電力公社Stanwell社や、鉄鉱石生産メーカー大手のFortescue Metals Group社などとの協業を通じて、海外からの大規模水素サプライチェーン構築に取り組んでいる。2030年商用化の早期実現に向け、現地での市場・インフラ調査や関連企業及び州政府との関係強化を目的として、7月にオーストラリアのクイーンズランド州ブリスベンに岩谷オーストラリア会社の事務所を開設する。

 世界的な環境意識の高まりを背景にし、CO2フリー水素エネルギーの利活用が期待されている。岩谷産業は、日本政府が宣言したカーボンニュートラル、脱炭素社会の実現に向け、海外での大量で安価な液化水素を確保し、究極のクリーンエネルギーである大規模な水素利活用の社会実装を具現化することで、社会貢献に努めるとしている。

 同社は、1941年に水素の取り扱いを開始して以来、製造から輸送・貯蔵・供給・保安まで一貫した全国ネットワークを築いており、日本の水素市場シェアは70%となる。また、2006年に大阪府堺市に国内で初めての液化水素製造プラントを建設し、現在では年間1億2,000万㎥(3拠点・6プラント)の製造能力を有する日本で唯一の液化水素サプライヤー。水素のリーディングカンパニーとして、これまで培ってきた技術やノウハウを活用し、今後も水素エネルギー社会の実現に向けた取り組みを進める。