エア・ウォーター 千葉県で液化ガス製造プラントの営業運転開始
国内22機目の「VSU」稼働で首都圏の安定供給体制を強化
エア・ウォーターとエア・ウォーター東日本株式会社(代表取締役社長:田中 豪)が、千葉県千葉市で建設を進めていた高効率小型液化酸素・窒素製造装置「VSU」が完成し、2022年11月1日より営業運転を開始した。
概要
エア・ウォーターグループでは、「需要地の近郊に小型プラントを設置し、大型プラントに匹敵するコストで液化ガスを供給する」という製造拠点戦略により、国内産業ガス事業の拡大とともに、災害に強い供給ネットワークの確立とBCP(事業継続計画)の強化を図っている。
今回、液化ガス製造拠点の空白エリアとなっていた千葉県西部で国内22機目となる「VSU」が稼働したことにより、首都圏におけるグループのガス製造拠点は、千葉市、神奈川県相模原市、栃木県宇都宮市、茨城県鹿嶋市の合計4カ所となり、強固なガス供給ネットワーク体制を構築するに至った。
また、当該「VSU」は、2021年4月より先行して稼働しているシリンダーガス充填拠点「東関東ガスセンター」に併設しており、関東地区では初となる「川上から川下まで一貫した総合ガス事業拠点」となる。
京浜・京葉臨海部を中心とした各種製造業における産業用途や、病院等で使用される医療用途のガス需要に対応するとともに、首都圏全域における物流の合理化、輸送時のCO2排出削減、さらにはガス製造・供給拠点間のバックアップ体制により、大規模災害時も含めた産業・医療用ガスの安定供給力を高めるとしている。
設備概要
- 名称:「VSU」22号機
- 所在地:千葉県千葉市稲毛区六方町210番地3
- 製造能力:液化酸素1,000 N㎥/h、液化窒素2,660 N㎥/h
- 稼働開始日:2022年11月1日
運営会社の概要
- 名称:千葉液酸株式会社
- 出資比率:エア・ウォーター株式会社 30%、エア・ウォーター東日本株式会社 70%
<(参考)産業ガス・医療用ガスとは>
酸素や窒素といった産業ガスは、鉄鋼、造船、化学、半導体、電子部品、食品など産業界のあらゆる分野で使用されている。例えば、酸素ガスは、製鋼やガラス原料の溶解時に燃焼効率を上げるために使用され、化石燃料の投入量削減やCO2排出量の削減にも役立つ。また、窒素ガスは、スマートフォンなどの電子機器を制御する半導体デバイスの製造や、食品の酸化防止(品質維持)など、身近な暮らしを支えている。
とりわけ人の生命を支える医療の現場において欠かすことができない医療用ガスは、大規模災害時においても緊急かつ安定的に供給する必要があるため、生産拠点を分散化する供給体制によって、医療提供に欠かせないライフラインを担っている。