エア・ウォーターと東洋建設、小型 CO2回収装置でCO2固定化技術の共同実証実験
エア・ウォーター開発の「ReCO2 STATION」を使用
東洋建設株式会社(代表取締役社長:大林東壽、以下「東洋建設」)とエア・ウォーターは、エア・ウォーターが開発した小型CO2回収装置「ReCO2 STATION」を使用して、工事現場や作業船から排出されるCO2の回収・利活用を想定した実証実験を実施した。
東洋建設は、陸上の工事現場のほか、海上工事で使用する作業船から排出されるCO2を回収・固定化する技術開発を進めており、早期の実装に向けてコンテナサイズのCO2回収装置を作業船上に設置することを検討している。
小型CO2回収装置「ReCO2 STATION」は、一般的な工場から排出されたガス中の低濃度のCO2を高効率に回収するだけでなく、カーボンリサイクルの観点から液化炭酸ガスやドライアイスを製造することができる設備。
今回、東洋建設とエア・ウォーターが陸上で実施した実証実験では、ディーゼル発電機(作業船に電源として搭載)から排出されたCO2を回収して、高純度の液化炭酸ガスおよびドライアイスを製造しセメントスラリーにCO2を固定化することに成功した。
東洋建設では、2024 年度を目途に作業船への回収装置搭載を検討しており、将来的には同社が保有する作業船から発生する CO2を回収し、作業船上でセメントや地中への CO2固定量を最大化する技術の開発にも取り組む予定。作業船から排出されるCO2の回収と固定化は、地球温暖化対策のひとつとなるとともに、より持続可能な海上工事の実現に向けて重要な取り組みとなる。
実証実験の内容
- 期間:2023 年7 月
- 場所:北海道に所在するエア・ウォーターのグループ会社の工場施設内
- 内容:
- ① ディーゼル発電機から排出される低濃度のCO2の回収(海上工事での運用を想定した連続運転条件下でのCO2回収量と電力消費量の検証)
- ② 回収したCO2から製造した液化炭酸ガス及びドライアイスの品質確認(セメントスラリーへの固定量の計測)
- ③ その他実装に向けての検証