日東紡福島工場で2024年2月から水素燃焼テストの実証開始
10%相当の置換から、将来的に全水素-酸素燃焼を目指す
日東紡は2024 年 2 月、自社グラスファイバー事業部門の福島工場(福島県福島市)の都市ガス-酸素燃焼方式のガラス溶融炉において、燃焼エネルギーを水素-酸素に転換する実証実験を開始する。テストは 10%相当の置換からスタートし、将来的には全水素-酸素燃焼を目指す。
日東紡グループは、ガラス溶融炉の CO2 発生量削減・効率化を目指し、継続的に新技術の活用や燃焼エネルギー転換※を進めてきた。今後はカーボンニュートラル達成に向けて、グリーン水素をはじめとした次世代エネルギーを活用したグラスファイバー製造プロセス構築の検討を進める。
今回計画している水素燃焼テストでは、ガラス溶融炉の都市ガス燃焼バーナーの一部を水素燃焼バーナーへ換装し、水素をセルフローダーから供給して、水素-酸素の燃焼エネルギーを都市ガス燃焼エネルギーと併用する形で導入しガラス溶融を行う。本テストでは短期間の燃焼実験によりデータ採取を行い、更なる大規模な水素燃焼テストに向けて各種検証を進める計画。
福島県の「令和 5 年度福島県脱炭素関連技術開発事業化可能性調査事業」に採用されており、福島県ならびに福島市と連携して実行する。テストで使用する水素の一部は、再エネを使用している FH2R(福島水素エネルギー研究フィールド)で生成された水素が供給される。
※日東紡グループでのグラスファイバー製造初期は重油燃焼を用いていたが、これを LNG 燃焼化し、さらに天然ガスのパイプライン延伸に合わせて天然ガス燃焼化を図ってきた。2011 年度以降、更なる高効率化を目指して排ガスを大幅に削減できる天然ガス-純酸素燃焼方式を順次全炉に展開し、空気燃焼時と比較して 40%以上の CO2 排出量削減に成 功している。