月面の砂に含まれる水分から液体水素と液体酸素を生成
JGCがJAXAの「月面推薬生成プラントの実現に向けたパイロットプラントの概念検討」に採択
日揮ホールディングス(JGC)の海外EPC事業会社、日揮グローバル株式会社(以下、日揮グローバル)は2023年年12月6日、国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(以下、JAXA)の企画型競争入札事業である「月面推薬生成プラント※1の実現に向けたパイロットプラントの概念検討」(以下、本業務)に採択された。
米国のアルテミス計画に代表されるように、現在世界的な月面開発の潮流が加速している。JAXAは「日本の国際宇宙探査シナリオ(案)2021」※2において、将来的な月面における水資源利用の実現に向けて、2020年代に月面推薬生成プラント全体システムの概念検討や要素技術検討、地上実証等を行い、2030年代にプラント建設地の事前調査(地盤調査、測量)や月面実証プラント建設に着手、2040年までに推薬プラントの本格稼働を開始する計画案を示している。本計画の一環として、JAXAは今回採択された本業務に関する入札の公募を2023年10月に行った。
日揮グローバルは、本業務において主に次の2点について検討を行い、2024年3月31日までにJAXAに検討結果を提出する。1. 実証計画の立案(月面推薬生成プラントの全体システムの検討、およびその実現に向けた実証計画の立案)、2. パイロットプラントの概念検討(月面における水資源利用の実現に向けた月面での実証プラントの検討、月面実証に向けた地上での検証を行うシステムの検討)。
日揮グローバルにおいては、2018年から社内有志メンバーによって宇宙関連ビジネスへの参画検討を進め、2020年12月に月面での燃料(水素)供給プラントの実現に向けた検討組織「月面プラントユニット」を設置した。2021年6月には、JAXAと月面推薬生成プラントの構想検討に係る連携協力協定を締結し、約1年間をかけて月の水資源を利用した月面推薬生成プラント構想に関する概念検討を行い、その実現に必要な技術要素、研究課題の洗い出しおよび研究開発計画の検討を行っている。
※1)月面の砂(レゴリス)に含まれる水分を抽出し、有人月離着陸機や飛翔移動機の燃料となる液体水素および液体酸素を生成する設備。
※2)掲載URL (https://www.exploration.jaxa.jp/assets/img/news/pdf/scenario/2021/Scenario2021.pdf)